設計寿命が尽きた原子力発電所「月城(ウォルソン)1号基」の寿命延長を決定するための安全性評価を続けてきた韓国原子力安全技術院が、月城1号基がさらに10年運営しても安全性に問題がないという結論を下した。
市民社会団体は「寿命延長を前提とした拙速な評価」と反発した。月城1号基は1983年4月に商業運転を開始し、2012年11月20日に30年の設計寿命を終えた加圧重水炉型原子力発電所だ。 これに対し韓国水力原子力発電(韓水原)が2009年12月30日に原子力安全委員会に寿命延長のための申請を出し審査中にある。
原子力安全技術院は12日開かれた原子力安全委員会(原安委)へ提出した「月城1号基継続運転審査結果(案)」で、周期的安全性評価、主な機器寿命評価、放射線環境影響評価など3つの報告書の21分野ですべて内容上適合したと報告した。
寿命評価の関連項目では、「経年劣化の分析が継続運転期間内で有効で、継続運転の終了時まで予測され、継続運転期間で管理されえると確認」したと報告した。経年劣化は施設物の品質や機能が時間の経過により低下する現象をいう。経年劣化の影響が管理されると判断したのは、続けて稼動しても問題がないという意味に他ならない。 また、“継続運転による影響”に関連した審査でも問題がないとの結論を下した。
シム・ウンジョン原安委安全疎通担当官は「原子力安全技術院が今日、月城1号機の継続運転に関する今までの審査結果を要約して報告したが、継続運転の最終決定は、原安委が原子力安全法による評価と大統領公約によるストレス検査(自然災害など極限状況で原子力発電所の安定性を審査)の結果をすべて検討した後に下されるだろう」と話した。
安全技術院の審査結果報告に対して市民社会団体は、「月城1号機の寿命延長を前提にした手続き」だと批判した。 民主労組、全教組、環境連合などで構成される「核のない社会のための共同行動」はこの日に原安委に送った要請文で、「安全性問題で月城1号基の審査期間が法的審査期間の3倍を越えたにもかかわらず、基本資料の公開もなしで拙速に進めていることに憂慮を禁じえない」として、「寿命延長の審査に原子力発電所の安全を望む国民の声を聞き反映してほしい」と訴えた。
韓国語原文入力:2014.09.12 21:08