現代自動車の社内下請け労働者が会社を相手に起こした勤労者地位確認(不法派遣)訴訟事件の宣告が再び1か月ほど延期された。 今月21~22日に予定されていた今回の宣告の延期により、これまでに計3回も宣告が延期されることになった。 労働者たちは訴訟離脱者を増やそうとする現代自動車側の‘遅延戦略’と判断し反発している。
ソウル中央地裁が宣告を来月18~19日に先送りした理由は、原告(労働者)として参加した75人の労働者が19日夜から20日にかけて訴訟の取り下げ書を出したためだ。 裁判所は弁論が始まった後に原告が訴えを取り下げれば、被告(現代車)に2週間かけて同意可否を尋ねるよう定めた民事訴訟法の規定のためだと20日説明した。 取り下げ書を出した75人は、全員2012年7月から現代自動車が実施した正規職採用に応募し、すでに正規職になった労働者だと伝えられた。
労働者側の訴訟代理人団は、集団的な訴訟取り下げに現代自動車が介入したという疑いを持っている。 半日余の僅かな時間に75人もが訴訟取り下げをしたうえに、あらかじめ現代自動車側が同意書を集めておき、訴訟取り下げ書を出す時に添付できるにもかかわらず、そうした労働者がほとんどいないという理由からだ。 代理人団のキム・テウク弁護士は21日「会社側がすでに正規職として採用された人々に訴訟取り下げ書を出せと事実上強要したり勧奨したりする姑息な手を使ったと見られる」と反発した。
現代自動車側は裁判所に出した宣告延期要請書で、今後も102人の労働者が追加で訴訟を放棄する計画であることを明らかにした。 訴訟宣告が9月に再延期されることもありうるということだ。 宣告が遅れるほど訴訟を取り下げる労働者が増え、新規採用ではなく正規職転換を要求する蔚山(ウルサン)非正規職支部の立場が弱まることを願う会社側の訴訟戦略だという分析が出てくる背景だ。
これに対して現代自動車は「訴訟取り下げは原告の権利であり自由意思だ。 会社は訴訟の取り下げに関連する事項を論じる立場にない」と話した。 現代自動車は9月に正規職400人を新規採用すると21日公告した。
チョン・チョンフィ、パク・スンホン記者 symbio@hani.co.kr