現代自動車の「勤労者地位確認訴訟人団」1569人の中には、アバンテ(現代自動車が生産する代表的小型乗用車)と青春をともにしたチョン・ホンジュ氏(35)も入っている。チョン氏は2002年12月、現代自動車正規職である叔父の勧めで、下請け会社の「キョンイル企業」に入社した。第3工場の艤装3部でアバンテXDのエンジンルームのボルトとナットの締め具合を確認し、ブレーキオイルの注入作業をした。
2003年、月次休暇もろくに与えない会社に抗議して労働者6人が職場離脱するという事件があり、翌年4月に職員はそのままで会社名だけがヨンムン企業に変わった。当時は労働部が約9000人の現代車社内下請け労働者は不法派遣であるとして、検察に起訴意見を送致していた。検察はこの事件を全て不起訴処分にした。
チョン氏は2006年7月、現代車アバンテXDの後続モデルであるアバンテHDの導入による作業工程の再配置を理由に、社内下請け会社から他の120人とともに整理解雇された。社内下請け会社は、現代自動車に労働者を貸し出すところに過ぎなかった。彼は2か月の籠城闘争の末に、アバンテ工場に戻った。2010年7月、最高裁判所で勝訴した同僚チェ・ビョンスン氏の判決に励まされて、2か月後に今回の訴訟人団に書類を出した。翌年2月、アバンテHDの後続であるMDモデルの室内灯組み立て作業に従事していたチョン氏は、労組活動を理由に2度目の解雇に遭った。
依然として解雇者生活を続けているチョン氏は17日、『ハンギョレ』との通話で「現代車は私が彼らの社員ではないと言うが、私は今回の判決でそれを確認したい。2審に行って覆されるとしても、法が私の勝利を宣言するのを見たい」と話した。
今度の宣告は、チョン氏が「会社と対立しないでおとなしくしていれば、正規職になれるんだから」という家族の勧めを振り切って、労組で闘争を続けてきた歳月に対する補償の意味もある。
「家族は私に“解雇までされながら何故そんなことをしなければならないのか”と言います。でも、私も結婚して子どもを持つことになるでしょう。私の子どもに非正規職の世の中をこのまま引き継がせるわけにはいかないじゃないですか」
チョン・ジョンフィ記者