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韓国政府 非正規職問題が深刻だと言ったそばから…「派遣労働者を増やす」

登録:2014-07-24 21:59 修正:2014-07-25 18:22
[新経済チームの政策方向]
道を見失った‘非正規職解決法’

労使自律協約に傍点
正規職転換する企業に対する賃金支援のみ…
専門職派遣可能業務を拡大
社内下請け問題には全く言及せず
10月発表予定の総合対策で
補完策が出てこなければ‘空念仏’

 新経済チームの経済政策方向で最も期待を集めたことの一つが非正規職対策だ。 チェ・ギョンファン経済副総理 兼 企画財政部長官が人事聴聞会で非正規職問題の解決を一貫して強調したためだ。 チェ副総理は「600万(労働界推算は800万人)の非正規職をそのままにしておいては内需活性化が難しい。 国民幸福時代のためにも正規職と非正規職の二重構造問題の解決が至急必要だ」と明らかにもした。

 だが、24日に発表された政府の非正規職対策を見れば、正規職転換や格差解消に対する政策の大部分が曖昧で、‘社内下請け’問題に至っては全く言及されていない。そのため10月に発表予定の‘非正規職総合対策’で確実な補完策が出てこなければ、非正規職の処遇改善は空念仏に終わりかねないという指摘が出されている。

 今回の対策は‘正規職転換基準等を含むガイドライン’を作り、労使自律協約を広げ、正規職転換をする企業には賃金の一部を支援するということが核心内容だ。 ガイドラインには正規職転換対象選定基準、非正規職に対する不合理な差別禁止などの内容が入る予定であり、労使が正規職転換を自律的に推進できるようにするという考えだ。

 また今回の対策には、国民の‘生命・安全’に関連する分野への非正規職の使用を制限し、各企業の労使協議会に非正規職代表を参加させるかを検討する内容も入れられた。 これと共に政府は公共部門の非正規職を正規職に段階的に切り替え、特に政府外郭研究機関の非正規職を2017年までに全体の20~30%(現在38%)に縮小することにした。 賃金を一部支援して正規職への転換を促進する政策もある。 政府は派遣労働者を直接雇用している中小・中堅企業の事業主や、派遣労働者と契約を結んだ派遣事業主が、非正規職労働者を正規職に切り替える場合、政府が賃金の一部を支援することにした。

 だが、去る2007年に非正規職を2年以上雇用すれば正規職に切り替えるという内容の非正規職法が施行されたが、7年経っても格別の実効性がない状況であり、拘束力もないガイドラインがどれほどの役割を果たせるかは不透明だという指摘がある。

 また、ヒュンダイ(現代)自動車の場合のように、雇用労働部と最高裁までが不法派遣と決めた事業場に対しては何の対応策もなく、空念仏ではないかという批判も出ている。 派遣法によれば、ヒュンダイ自動車は不法派遣労働者(社内下請け)を法に則り正規職に切り替えなければならない。

 非正規職を減らすと言ったそばから、他方では派遣労働者を増やす政策を推進しようとしている部分も論議の的だ。 高齢層(55才以上)と所得の高い専門職に対しては派遣可能な業務を大幅に拡大する方針だ。 現在は32種の業務だけが派遣可能だ。 この間、派遣が禁止されていた農林漁業にも派遣を許容する考えだ。 雇用労働部関係者は「ベビーブーム世代の再就職機会を増やさなければならないと同時に、農漁業事業場の求人難解消のために派遣の拡大が必要だ」と明らかにした。

 国会環境労働委員会所属のウン・スミ議員(新政治民主連合)は「非正規職問題が深刻だと診断しておきながら、実際に政府が出した政策は派遣を拡大させるなど、非正規職を増やしている。 また、韓国社会の最も深刻な問題である「社内下請け」は‘社’の字も入っていない」として「非正規職問題解決の意志が見られない」と評価した。 全国民主労働組合総連盟もこの日論評して「実効性のない政策を冗長に列べるのではなく、正規職転換対策を作ろうと思うなら、常時・持続業務は正規職として採用するという原則を明確にし、これを推進する法と制度を作れば良い」として「一言で言えば、大統領が約束した公約を履行すれば良い」と指摘した。

 雇用労働部は非正規職乱用防止の具体的な内容と今回抜けた差別改善などのための総合対策を10月に発表する計画だと明らかにした。

世宗/キム・ソヨン、チョン・チョンフィ記者 dandy@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/648432.html 韓国語原文入力:2014/07/24 21:14
訳J.S(1910字)

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