「最低賃金1万ウォン(1000円)」デモでの道路行進が法律違反
「宅配アルバイトは 13時間で5万ウォンだが、労役なら日当10万ウォン」
猛暑のなか5日間の「自主労役」を終え、18日に自宅に戻った「アルバイト労組」のク・キョヒョン(37・写真)委員長を待ち構えていたのは、罰金150万ウォンの支払いを命じる略式命令書だった。罰金を支払う現金がないから労役を選んだというのに、アルバイトには‘爆弾’となる罰金が再び課せられた。
昨年11月、ソウルの弘益(ホンイク)大学でアルバイト労組の総会を開き、アルバイトも労働者だと声をあげて街頭行進をしたことが問題視された。一部地域の歩道が極めて狭く、道路に出て行進したところ、集会および示威に関する法律違反で‘罰金爆弾’が落とされた。
21日、ク委員長は『ハンギョレ』に、「今後アルバイト労組活動をするには、罰金を予想した労役まで計画に入れなければならないですね。それが私たちの惨憺たる現実」と言って苦笑いした。彼は「経済力のないアルバイトは刑務所に行けと言われているようなものだ」と話した。
昨年から彼らアルバイト労組は、「時間当り最低賃金を生活賃金水準である1万ウォン(約1000円)に引き上げよう」という運動をしている。この過程で道路侵犯などを理由にアルバイト労組員20人に総額1500万ウォンの罰金が課された。ク委員長にも二度の200万ウォンの罰金、計400万ウォンが課された。ク委員長は「こんな罰金は到底払えない。不当な現実を知らせるために労役を始める」と言って、14日からソウル南部刑務所で日当10万ウォンの労役を始めた。
10万ウォンの労役はアルバイトにとっては破格の日当だ。ク委員長は「宅配アルバイトで1日13時間働いても5万ウォンにしかならない。1日10万ウォンももらえるなら罰金を払うより労役の方がましだ」と言って苦笑いを浮かべた。
ク委員長に必要な労役は200万ウォンの罰金から警察署留置期間を除いた190万ウォン(19日)だった。来月1日になれば出所できるはずだったが、罰金を労役で払っていることが知られると募金運動が起こった。彼は190万ウォンから5日間の労役分を差し引いた140万ウォンを支払って出所することができた。だが、彼には追加で課された150万ウォンの罰金が残っている。
ク委員長は「チェ・ギョンファン新任経済副総理も最低賃金を引き上げなければならないと言わざるをえないほど、賃金格差が深刻になっている。 韓国経営者総協会など使用者集団だけが最低賃金の引き上げに反対している」と言い、企業の意識転換を促した。
キム・キュナム記者 3strings@hani.co.kr