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[セウォル号事故から3ヵ月] 捜査権付与を巡り行き詰まった「セウォル号特別法」

登録:2014-07-16 21:28 修正:2014-07-17 09:40
特別法の16日通過は失敗
野党「7月臨時国会招集」で圧迫
遺族たちの訴えで与野党会合が実現
セウォル号犠牲者家族が14日午後、ソウル鍾路区(チョンノグ)世宗路(セジョンノ)の光化門(クァンファムン)広場で、セウォル号特別法の早急な制定と、法案議論に遺族が参加する「3者協議体」の設置を要求し断食座り込みに入った。犠牲者を追慕する黄色い紙の船が座込み場前の芝生に置かれている。 キム・ソングァン記者 flysg2@hani.co.kr

 朴槿恵(パク・クネ)大統領と与野党が16日までに「セウォル号特別法」を国会本会議で通過させるとした約束は果たせなかった。与野党の代表が会ってセウォル号特別法の協議に入ったが、17日に終わる6月国会での通過は不透明な状況だ。

 セウォル号特別法の争点である、「特別委員会(真相調査委員会)」に捜査権や起訴権を持たせる問題と委員会の人事問題を巡り、与野党はこの日も異見を狭めることができなかった。この日、セヌリ党のイ・ワング院内代表は党最高重鎮連席会議の場で、特別委員会に捜査権を与える問題について「司法体系の根幹を揺るがしかねない問題なので慎重に対応している」と否定的な見解を述べた。

 反面、新政治民主連合はセウォル号特別法の早急な処理を求め、セヌリ党の前向きな決断を促した。同党のキム・ハンギル共同代表はこの日の最高委員会で、「セウォル号事故の聖域なき真相調査のために、国民と野党が求めているセウォル号遺族が要求する特別法を必ず受け入れなければならない」としたうえで、「私と安哲秀(アン・チョルス)代表は第一野党の共同代表として、すべてを賭けて特別法制定を貫徹する」と明らかにした。同党のパク・ヨンソン院内代表も、「セヌリ党が特別法に応じなければ、7月臨時国会の招集要求書を提出する計画」だと述べセヌリ党を圧迫した。 新政治民主連合の議員たちはこの日、国会前で特別法通過要求決意大会を開いた。

 セウォル号特別法は捜査権付与などの核心的な争点以外ではほとんど意見調整がなされており、与野党指導部の政治決断だけが残っている状態だ。こうした膠着状況の中でセウォル号家族対策委員会が直接動き出した。 三日間断食座り込みを続けている15人のセウォル号遺族代表は、安哲秀・キム・ハンギル共同代表など新政治民主連合の指導部と面会し、「今日にでもセヌリ党のキム・ムソン代表に会ってほしい。国民に代わりそうした行動をとるのが野党であり国会ではないのか。代弁者としての役割を果たしてほしい」と訴えた。

 懇談会が終了後、新政治民主連合のキム・ハンギル代表がセヌリ党のキム・ムソン代表に「今日じゅうにセウォル号特別法問題に決着をつけなければならない」と電話で提案し、与野党の代表及び指導部間の会合が実現した。

 一方、セウォル号犠牲者の遺族たちは報道資料を通じて「世間で噂されている大学入学特例、義死傷者指定は私たち遺族が望んでいるものではなく、遺族が出した法案にも含まれていない」と明らかにした。セウォル号家族対策委員会のキム・ヒョンギ首席副委員長は、「私たちは特典入学や義死傷者指定を求めたりしていない。遺族の望みは、徹底した真相究明をしてほしいということ」と声を高めた。

イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/647277.html 韓国語原文入力:2014/07/16 20:43
訳J.S(1322字)

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