加入・解約・変更時、身分確認のために
指紋が印刷されている裏面までコピーし保管
保護マニュアルはなく生体情報を収拾
移動通信社「法的効力上、仕方ない
政府に制度改善を建議する」
慶南(キョンナム)金海市(キムヘシ)長有洞(チャンユドン)に住むリュ・ナムスク氏は、昨年10月移動通信加入申請をすれば指紋が収集されるという事実を知った。 本人確認のために必要だと言われ住民登録証を渡したところ、指紋が印刷されている裏面までコピー(スキャニング)して保存したとのことだ。
リュ氏は直ちに指紋の削除を要請したが拒絶された。 顧客センターもリュ氏の指紋削除要請を断った。 リュ氏は「生体情報である指紋を当事者の同意も得ずに公然と収集し、削除要請も断るというのが話になるか。 このように収集して、後日に他の目的で活用しているのではないか、ハッキングにあって流出することはないいのか心配だ」として「未来創造科学部と放送通信委員会に仲裁を要請したところ、所管業務ではないと言われた」と話した。
政府が住民登録証に指紋を入れるように設計したために移動通信事業者が顧客の主要生体情報を収集する問題が生まれている。 移動通信会社は‘住民登録法遵守’を理由に指紋をコピーしないでほしいという顧客の要請を断っている。 さらに顧客の個人情報管理のガイドラインとなる移動通信会社の個人情報取扱指針にも指紋に関連した規定はない。 移動通信会社が管理・保護マニュアルも無い状態で顧客の指紋を収集・保管しているわけだ。
移動通信会社は新規加入、名義変更、通話内訳閲覧、料金制や付加サービス変更および解約などの際に、本人確認用身分証として住民登録証を提示すれば指紋が一緒にコピーされ保存されるので法的には問題がないと言う。 だが如何に多くの加入者の指紋を収集して保持しているかは明らかにしない。 SKT関係者は「住民登録証は表裏の両面で構成されていて、コピーを残す時も両面を一緒にコピーしてこそ法的効力がある。 (政府が)住民登録証の裏面に指紋を入れたので(私たちも)やむを得ず収集したのであって、意識的に収集したわけではない。 銀行や保険会社など住民登録証で本人確認をしている所は全て指紋を収集しているだろう」と話した。
これと関連して進歩ネットワークセンターのチャン・ヨギョン活動家は「政府でさえも予想できなかった問題だ。 そもそも住民登録証に指紋を含めたことが間違い」とし「政府が指紋を入れないよう住民登録証を作り直すか、国民が本人確認用身分証として住民登録証を使わないよう薦める方法しかない」と話した。
移動通信会社は<ハンギョレ>の取材が始まると、政府に本人確認のためにはやむを得ず顧客の指紋を収集せざるをえない問題の解決を共同要請する方案を推進すると明らかにした。 ある移動通信会社の関係者は「まもなく移動通信3社対外協力責任者会議を開いて住民登録証コピーは表面だけを残せば良いようにする形で制度改善をしてほしいという共同建議文を政府に提出する方針」と話した。
キム・ジェソプ記者 jskim@hani.co.kr