新しい原発予定地に指定された江原道三陟(カンウォンド・サムチョク)市長選で“原発反対”を第一の公約に掲げた無所属キム・ヤンホ(52・写真)候補が当選した。キム候補は、“反核統一候補”として、原発誘致を推進してきたセヌリ党のキム・デス(72・現三陟市長)候補と一騎打ちを繰り広げた。キム・デス候補の原発誘致により、三陟は2012年9月、慶北盈徳(キョンブク・ヨンドク)とともに政府により新しい原発予定地に指定告示された。
キム当選者の勝利は、江原道地域の選挙の最大異変に挙げられる。キム当選者は今回の選挙で62.44%を獲得、37.55%にとどまったキム・デス候補を大差で抑えた。予想外の大勝だった。キム当選者は選挙前に、各種世論調査でキム・デス候補に20%前後リードされていた。しかし、早くから“反核 対 賛核”という対決構図が形成され、原発誘致に反対する地域の住民が大挙“反核候補”支持に乗り出した結果と見られる。 実際、市民の集まりである<三陟核発電所反対闘争委員会>と「核アングリー・マム」と呼ばれる三陟女子高同窓会など、おばさん部隊の支持が大きな力になった。
反核票の結集で“賛核市長”から“反核市長”に変わり、三陟の原発問題は原点に戻る可能性が高まった。キム当選者は当選後すぐに住民投票を施行し、その結果をもとに原発誘致撤回申請を行なうと発表している。
キム当選者は「原発を阻止するために出馬したのであり、今回の選挙結果は核発電所を阻止せよとの市民の命令だ」と述べた。
パク・スヒョク記者 psh@hani.co.kr