登録 : 2014.06.09 23:30 修正 : 2014.06.10 07:17

皆が幸せな学校? 革新学校って何

2009年革新学校に指定され、京畿(キョンギ)東南圏の拠点学校の位置を占めた京畿道(キョンギド)城南市(ソンナムシ)盆唐区(ブンダング)のポピョン小学校で昨年5月31日、児童たちが楽器を演奏し音楽の授業を受けている。 6・4地方選挙と同時に行われた教育長選挙で革新学校拡大など公教育の充実を公約した進歩教育長が全国17の市・道教育庁の内13地域で当選し、革新学校が新たに関心を集めている。 城南/シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

「1人も差別されず・あきらめない」
競争・注入の代わりに創意的人間性教育

 高校平準化40周年をむかえた今年、韓国の教育現場の‘区別化’は惨憺たるものだ。 李明博政府の‘高校多様化’政策は‘高校序列化’の別名だった。 私立幼稚園-私立小学校-国際中学-特別目的高校・自律型私立高につながる幼・初・中等教育の序列化がコンクリート障壁のように強固になった。 4日、全国17市・道教育庁の内13地域で当選した進歩教育長たちは‘上位数%’だけのための区別化のためのコンクリート障壁に亀裂を起こそうとしている。 亀裂を起こせば光が入ってきて、壁は崩れ落ちるはず。 彼等が‘皆のための学校’という公教育の新たなパラダイムを開くために掲げた代表的公約が革新学校の拡大と自律型私立高(自私高)廃止だ。 <ハンギョレ>が3回にわたり革新学校と自私高がそれぞれ一般学校の強化とスラム化にどんな影響を及ぼすのかを調査し、画一化された平準化を越えて新しい公教育を実験しようとしている‘進化した進歩教育政策’を通じて‘2期目の進歩教育長時代’の課題を衝く。

 ソウル江北区(カンブック)の三角山(サムカクサン)高等学校に3年前に娘が入学すると、チャン・ウス(51・江北区 弥阿洞(ミアドン))氏は内心不満だった。 近くの女子高2校に通わずに、わざわざ見慣れない新設の‘革新学校’に通うことになるからだ。 今は考えが全く変わった。 チャン氏は「革新学校、本当にいい学校だ。 子供にとってよりよい道になりうる」と周辺に楽しそうに話している。 必ずしも娘が大学に進学するだけが道ではない。 娘が革新学校に通うことをとても喜んでいるし、教師たちも頼もしく見えたということだ。 チャン氏は8日「他の一般系高等学校も革新学校のように運営すれば良いのに」と話した。

 チャン氏の娘ユジン(19)さんは「革新学校は楽しくておもしろい学校」と話した。 生徒たちの自律性を尊重して意見に耳を傾ける点、やりたい勉強やサークルを負担感をもたずにできるように培っている点などを挙げた。 ユジンさんは‘トゥレ(結い)’が特に記憶に残っていると話した。 友達3・4人が一緒に勉強や趣味・読書などをするグループ活動だ。 数学トゥレ、世界史トゥレも設け、古典討論トゥレ、進路相談トゥレも一緒に作った。 大学で学生たちが行うように主題などに制限がない。 学校は1学期に5万ウォンずつ支援する。 3年の時、討論授業が減ったが、トゥレ活動で刺激を受けて自主的に勉強したことが大学合格の秘訣だったと思うとユジンさんが話した。

 三角山高校はソウル市教育庁が2010年末に革新学校に指定したソウル地域の高校三校の内の一つだ。 「1人もあきらめることなく創造力と共生の能力を育てる」という趣旨の下に繰り広げた革新教育を3年間見守ってきた父母の目は、何よりも今年の大学進学結果に集まった。 ‘人格教育に気を遣い、教科教育は粗雑にするのではないか’という不安感を払拭できなかったからだ。 今年初め、去る3年間にわたり革新学校で教育を受けた最初の卒業生306人の内、4年制大学に79人(ソウル地域48人),専門大に89人が全員が希望する専攻分野に合格した。

先月30日、ソウル鍾路区(チョンノグ)光化門(クァンファムン)広場で開かれた2014教育長選挙ソウル・京畿(キョンギ)・仁川(インチョン)民主進歩教育長候補共同記者会見で、チョ・ヒヨン ソウル市教育長候補(右から二人目)が発言している。 この日の記者会見にはチョ候補とイ・ジェジョン候補(京畿道),イ・チョンヨン候補(仁川市)が共にした。 彼等は革新学校の拡大および充実などを公約として前面に掲げた。 ニューシス

勉強トゥレ・討論授業…
父母たち「子供が学校が好きになってくれて満足」
友達と学習・趣味などグループ活動
多様な学習連係‘プロジェクト授業’
生徒たちが直接学則を決め
父母たち「目を覚ませば学校に行きたいって言うんです」
教師は「私たちの教育の未来はここに」

 高校入学当時の成績では難しかった大学に多数の生徒が進学し、周辺の自律型私立高(自私高)に成績上位圏の生徒たちが集まった点などを考慮すれば「驚くべき成果」という評価が多い。 三角山高校革新企画部長キム・ジョンアン(62)教師は「1人も差別しない責任教育、相互尊重と協力、授業と進学指導の連係戦略が大学進学に良い結果を出したようだ」として「自身の夢に至る大学進学だけでなく、人生を生きていく上で必ず必要な未来力量を備える基礎を作った点が大切な成果」と話した。

 2009年に進歩教育長であるキム・サンゴン京畿道教育長が初めて導入した革新学校は、‘創意人格教育’を指向している。 地域により革新学校(京畿道・全北(チョンブク)),ソウル型革新学校(ソウル),虹の学校(全南(チョンナム)),光の村革新学校(光州(クァンジュ)),幸福を満たす学校(江原(カンウォン))等と違う名前で呼ばれる。 京畿道教育研究院は2012年末、京畿道の革新学校154校と一般学校154校など308校の学校教師・生徒・父母を対象に行った<革新学校成果分析および拡散方案研究>報告書で、6市・道革新学校の共通点を挙げて「公教育の革新と充実のための実験学校として、教育課程と授業、評価、学校文化などを総体的に変え‘一般学校に影響を及ぼしている’学校」と革新学校を定義した。

 特に小・中学校で大きな反響を起こして急速に広がっている革新学校の特徴は、‘授業革新’と‘学校構成員の水平的意志決定’に要約される。 教室の風景が非常に多彩だ。 △二つの科目・授業時間をまとめて統合教科に集め、休み時間を増やす‘ブロック授業’ △4~6人が机を寄せ合い討論して一緒に問題を解決する‘グループ・討論授業’(討論授業はコの字形、グループ授業は口字形に机と椅子を配置する) △教科書進度中心授業の代わりに関心の向くテーマを定めて教科授業・体験活動・読書活動・サークル活動など多様な学習方法を連係・動員して教育課程を再構成する‘プロジェクト授業’ △数学のように実力差が大きい科目は、深化活動地を作り協力して問題を解決する方式など多様だ。 ‘皆のための教育’にまい進するフィンランド・スウェーデン・デンマーク・ドイツなどの‘未来型学校’でも見られる授業場面だ。

革新学校である京畿道 龍仁市(ヨンインシ)器興区(キフング)の興徳(フンドク)高等学校で昨年5月、2年生の生徒たちが古典文学の授業時間に質問紙を作り討論している。 生徒たちが4人ずつグループを作り、向かい合って座り相手を見ながら授業に参加している。 龍仁/シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

 革新学校教育活動の核心は‘競争でなく協力、注入でなく討論、排除でなく配慮’の精神だ。 障害を持つ小学校2年スミン(仮名・8)の父母ホン・ユンヒ(42)氏は、学校で‘友達の長所を書き並べなさい’という宿題を出したことを見て驚いたと話した。 勉強しながら友達を理解しようとする意が感じられた。 ホン氏は最近インターネット メディア‘スローニュース’に「車椅子に乗った子供でも競走選手として走れる学校」として、革新学校の近所に引越して良かったという記事を上げた。 車椅子に依存する子供が、前方から出発できるように友達が配慮して、一緒にランニングをするということだ。 「子供が体調が悪いと言って学校に行かさなければ泣きます。子供が目を覚ませば学校行きたいと言うんです」革新学校である上院(サンウォン)小学校(蘆原区(ノウォング))のある保護者の話だ。

 革新学校では学則や規則も生徒たちが自ら決めたり、教師たちと協議して決めたりする。 遅刻の際の罰則も生徒たちが決める。 スマートフォンの使用もあまり神経を使わなくともかまわない。 授業時間に友達に被害を与えた時に罰則を生徒たちが自ら決めるからだ。 このようにして集まった罰金は、隣人同士の助け合いなどに使われる。 祭りや卒業式も生徒たちが主導的に準備する。 このような活動が全て教育だという考えからだ。 生徒・父兄の満足度、‘勉強したからできた’と感じる学習効能感などが一般の学校より高く、学校暴力・いじめなどは以前より減ったという調査結果も多数ある。

 授業方式と教育課程の革新、合意と疎通に基盤を置いた学校運営をする上で、革新学校の教師たちは一般の学校勤務に比べてはるかに忙しい。 統合教科授業を行うには教師たちが討論して教材を用意するなど、授業準備をより多くしなければならないからだ。 革新学校であるソウル江西区(カンソグ)の三井(サムジョン)中学校のパク。ジンギョ(48)教師は「行政業務ではなく生徒のための授業研究や生活教育にかける業務量が増えた。 内面の教育的熱望というか、信念を発揮できるので意味とやりがいが大きい。 私たちの教育の未来方向はここにある」と話した。

 革新学校の教師の中には全国教職員労働組合(全教組)の教師が多い傾向があるという一部の指摘と関連して、ある父母は「私の子供を担任した教師が、全教組であれ、教総(韓国教員団体総連合会)であれ何も関係ない。 子供をよく見てくれるか、子供が学校に満足しているかが重要な基準で、それだけだ。 子供が喜ぶ革新学校に満足している」と話した。

 これに先立って、6・4地方選挙期間にソウル地域の革新学校の父母たちは‘革新学校を守る’ために立ち上がった。 ムン・ヨンニン(67)ソウル市教育長が‘革新学校をこれ以上支援しない’と言ったことに危機感を感じるためだ。 社会関係網サービス(SNS)の集いで疎通する‘ソウル型革新学校父母ネットワーク’の父母100人余が自発的に都心各地でリレー街頭演説をしたのが代表的だ。 先月31日午後、陽川区(ヤンチョング)木洞(モクトン)の街頭に立ったシヌン小学校1年の娘を持つキム・ジヨン(37)氏は「競争と注入の代わりに協力と配慮を尊重する革新学校に大満足」としながら、革新教育の拡散を公約したチョ・ヒヨン(57)候補を支持してほしいと訴えた。 父母ネットワーク代表であるソウル九老区(クログ)天旺(チョヌァン)小学校の父母オ・インファン(42)氏は「子供たちが幸せになって父母が満足する学校をなくすと言っているので、革新学校を目と体で感じた父母としてはじっとしていられない」と話した。 そしてソウルの有権者は、今後4年間ソウルの教育を導く責任者として‘一般学校全盛時代’と革新学校拡大などを約束したチョ・ヒヨン候補を選択した。

イ・スボム記者 kjlsb@hani.co.kr

韓国語原文入力:2014/06/08 23:58
http://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/641375.html 訳J.S(4784字)

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue