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[ニュース分析] 大統領府・与党、選挙前に約束した‘刷新’破るか

登録:2014-06-06 22:54 修正:2014-06-07 09:37
朴大統領、顕忠日(韓国殉国烈士の日)追悼辞で
セウォル号惨事に別段の言及せず
経済・公共改革 既存課題を強調
与党も選挙結果に安住する雰囲気
朴槿恵(パク・クネ)大統領が6日午前、銅雀洞(トンジャクトン)の国立顕忠院(ヒョンチュンウォン)で開かれた第59回顕忠日(韓国殉国烈士の日)追悼式を終え退場して、パク・ウォンスン ソウル市長と握手している。 大統領府カメラマン団

セウォル号国政調査、キム・ギチュン、KBS
‘3大課題’が刷新意志の照尺

 6・4地方選挙結果が外見上、与野党どちら側の手も上げない曖昧なバランスを見せて、‘セウォル号惨事以後’に繰り広げなければならない与党内の熾烈な苦悩と反省が立ち消えになるのではないかという憂慮が出ている。 今回の選挙で現れた民心は、与野党双方に刷新と変化の要求を投げかけたと解釈されるが、‘セウォル号惨事’であらわれた無能な国政運営と不通のリーダーシップにより審判の対象になった政府・与党が、選挙結果をさらに厳重に受け止めなければならないというのが政界の大半の意見だ。 地方選挙を契機に国政運営基調の根本的変化が必要だということだ。

 しかし与党は選挙結果を「朴槿恵(パク・クネ)大統領にもう一度機会を与えた」と努めて評価し、刷新よりは既存の国政運営基調で引き締めを図る側に重心を置きそうな姿を見せている。

 政府と与党が6・4地方選挙を控えて約束した刷新の意志を計れる三つの視点がある。 朴大統領が予告した人的刷新の内容、キル・ファンヨン<韓国放送>(KBS)社長に対する処理と後任者の人選、そして国会で進行される‘セウォル号国政調査’がそれだ。 ‘セウォル号惨事’に続くアン・デヒ国務総理候補者の辞退以後、与党ではキム・ギチュン秘書室長の退陣を事実上既定事実化した大統領府秘書陣全面改編、改革的総理の人選などを要求してきた。 しかし選挙以後、このような声は突然聞こえなくなった。 朴大統領がキム室長をどのように処理するかが注目される理由だ。

 また、キル・ファンヨン韓国放送社長に対する処理と後任者の人選には、セウォル号惨事以後露骨にあらわれた放送の政府側偏向により‘青営放送’(青瓦台=大統領府放送)論議まで出て来させた大統領府による放送掌握意志がどのように変わるかが見られる指標だ。

 そこに加えて、選挙前に「真相究明に最善を尽くす」と何度も念を押したセウォル号国政調査に対して、与党が選挙以後にどんな態度と積極性を見せるかも注目される。 パク・ヨンソン新政治民主連合院内代表は「選挙以後にも与党がセウォル号惨事の真相究明と再発防止のためにどんな真正性を見せるのかが重要だ」として「セヌリ党が国政調査特別委でどれくらい誠実に活動するか、セウォル号特別法にどんな内容を盛り込もうとするかがカギ」と話した。

 しかし選挙以後に朴槿恵大統領が出した二度の公開発言を見れば、国政基調の変化よりは既存政策課題とこれを推進するための‘速度戦’をさらに強調している。 朴大統領は6日午前、国立ソウル顕忠院(ヒョンチュンウォン)で開かれた第59回顕忠日追悼式で「韓国社会の異常な積弊を正し、国家安全管理システムの大改造とともに公共改革をはじめとする‘経済革新3ヶ年計画’推進に拍車を加える」と話した。 公共部門改革と経済活性化を強調した内容で、‘セウォル号以前’の国政基調とほとんど差がない。

 選挙終盤に‘1人ピケット示威’で‘助けてください’泣訴など切迫した気持ちで選挙に臨んだ与党も、選挙結果に内心安堵して‘セウォル号政局’から抜け出して政局の焦点をすでに7・14全党大会と7・30 ‘ミニ総選挙’(再補欠選挙)に移そうとする雰囲気が感知される。 ‘朴槿恵マーケティング’にぶらさがって命拾いした与党指導部では、大統領府に向かって先制的に刷新を要求することも難しい境遇だ。 選挙翌日の5日、イ・ワング セヌリ党非常対策委員長兼院内代表が非常対策委員会議で「朴大統領にもう一度国家大改造という責務を成し遂げろとの機会を与えられたものと受け止める」と話したことは、今回の選挙結果を受け止める与党指導部の姿を端的に見せている。

 しかしセヌリ党内部でもこのような動きに対する憂慮の声が出ている。 首都圏のある4選議員は「今回の選挙結果は与野党政界に対する警告」だとして「ここで大統領府が安住して、与党が以前のように大統領府に言うべきことも言えなければ、回復不能な国民の審判があると見る」と話した。 京畿道のある再選議員も「選挙結果を見て誤認してはいけない。 25区あるソウルの20区の区庁長を野党が収め、大統領選挙の時に我が方だった忠清道(チュンチョンド)がそっくり移った」として「大統領府に強力な人的刷新を要求しなければならず、セウォル号国政調査でも野党より一層徹底して臨まなければならない」と話した。

ソク・ジンファン、キム・スホン、ソ・ボミ、イユ・チュヒョン記者 soulfat@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/641227.html 韓国語原文入力:2014/06/06 21:07
訳J.S(2080字)

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