南-北・北-米関係 再びどん底へ
‘韓・米軍事訓練中 離散家族対面’
北としては前例なき譲歩
南側から肯定的回答ないとして‘憤怒表出’
半島情勢を支える二本の軸である南-北関係と北-米関係がどん底から抜け出せずにいる。 北-米関係が冬眠したのはすでに久しいが、去る2月の離散家族対面を契機に期待を呼び起こした南-北関係も韓・米連合訓練とこれに対応した北の射撃訓練を契機に不確実性が深刻化されている。
今年初めには南-北関係に薫風が吹くかに見えた。 金正恩北朝鮮労働党第1秘書は新年辞で "南-北間の関係改善のための雰囲気を用意しなければならない" としつつ、誹謗・中傷の中断と各種共同宣言の誠実な履行を挙論した。
朴槿恵(パク・クネ)大統領もこれに対し肯定的に応えて、1月6日の新年記者会見で "統一は大当たり" とし、(旧)正月連休前の離散家族対面を提案した。 10日後、北はそれなりに具体的な条件を出した。 △相互誹謗・中傷の中断△軍事敵対行為全面中止△核災害防止対策などいわゆる‘重大提案’だった。
陣痛はあったものの南北は合意に至った。 2月14日、南北高位級2次接触では両側はお互いの要求事項を折衝した。 南は北の‘相互誹謗・中傷の中断’要求を受け入れ、北は訓練日程中でも離散家族対面を進めることにした。 2月20~25日、南北は予定通り金剛山(クムガンサン)で離散家族対面行事を行った。
だが、離散家族対面以後の南北関係には特別な進展がなかった。 朴大統領は3月4日 "南北離散家族の生死確認と書信交換、画像対面を実現するために北と協議することを望む" と統一部など関連部署に指示したが、韓国政府は翌日、北朝鮮に赤十字実務接触を提案した。 赤十字実務接触だけでは実行力を担保しにくい上に、高位級接触を続けることを望んだ北は南の提案を拒否した。
朴槿恵(パク・クネ)大統領はドレスデン演説(3月28日)で対北‘3大提案’を持ち出したが、21年ぶり最大規模の韓・米連合上陸訓練とこれに対する北の砲射撃訓練に遮られた。 北は朴大統領の‘ドレスデン演説’を荒々しく非難し、1日~4日まで東海、元山(ウォンサン)海域一帯に内部的に船舶航行禁止区域を設定した。 南に対する武力示威を通した圧迫であるわけだ。 韓・米軍事訓練中に離散家族対面を実施したことは前例のない北としては大きな譲歩をしたのに、南はそれに応える返事をしなかったという指摘が出た。 3月31日に実施された大規模射撃訓練や朴槿恵大統領に対する露骨な非難は北が‘意識的に表出する怒り’だという話だ。
南北関係の将来は不透明ながらも、大きく悲観することではないとの見解もある。 ヤン・ムジン北韓大学院大教授は「北にはまだ南北関係を改善する意志があると見る」とし、「北が過去の強硬局面に行く時は、まず既存の南北合意を全て白紙化宣言する傾向を示した。 しかし今度はそのような措置が見られない」と指摘した。
だが、南北関係が進展を見せても、北-米関係の進展が並行されなければ‘一時的解氷’になる可能性が高い。 この間アメリカは‘ソウル’を経て‘ワシントン’に来いとの要求を北に継続してきたし、北の南北関係改善意志はこれを反映した側面が強いためだ。 したがって‘ソウル’を経たのにも関わらず‘ワシントン’での門前払いが続く場合、南北関係も再び原点に回帰せざるをえない。
実際、今までの北-米関係を見れば、アメリカは北朝鮮に対する‘無視’戦略を継続維持している。 アメリカは非核化に対する北朝鮮の誠意ある措置や決断がなければ、北朝鮮とのテーブルにはつかないという前提条件を掲げた。 さらにジョン・ケリー米国務長官は去る2月28日「北朝鮮は悪で、邪悪なところ」と発言し北朝鮮を刺激した。 その上、先月ハーグで会った韓-米-日3国首脳は、3国6者会談首席代表会議を開催することで合意した。 3国間同時会合は中国への刺激を憂慮して李明博政府でも慎重だった部分だ。 アメリカがこのように進入障壁を高めているため、中国の仲裁もやはり力を発揮できない局面だ。 韓国もやはり北-米関係や北核問題解決の仲裁者として名乗り出るには消極的な態度を見せている。 朝鮮半島情勢が霧中に陥った理由だ。
キム・ウェヒョン記者 oscar@hani.co.kr