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[単独] 集会参加者を追いかけてズーム・パン繰り返す…‘法の上の警察’ CCTV操縦

登録:2014-03-24 23:41 修正:2014-03-25 07:19
地方自治体CCTV 無差別管制
ソウル龍山区(ヨンサング)のCCTV統合管制センターで管制職員らが状況モニターをチェックしている。 龍山区(ヨンサング)が龍山警察署と結んだ業務協約書を見れば、委託を受けて同センターに勤務している管制要員は8人で、彼らが365日24時間映像情報を確認している。 協約書には「管制要員は監督公務員(警察官)の指示により勤務する」という指針も含まれている。 安全行政部提供

大漢門集会で顔を狙って望遠撮影
"何か異様な感じ…鳥肌が立った"
高速道路ICでは希望のバスを追跡
情報人権侵害 不法が日常化


管制センター101ヶ所中41ヶ所では
‘目的外使用’業務指針 明示
パン(旋回)・ズーム(望遠)許容も23ヶ所

 昨年8月21日午後5時頃だった。 ソウル中区(チュング)の大漢門前双龍(サンヨン)自動車解雇労働者集会に参加したパク・ジン茶山人権センター常任活動家は何か異様な感じを受けた。 大漢門脇の建物の外壁についている‘防犯用閉回路TV(CCTV)’が自動的に旋回していた。 設置・運営主体はソウル中区庁だった。 パク氏は中区庁に情報公開を請求し、昨年9月30日に中区庁舎内にある‘CCTV統合管制センター’を訪問し当時の映像を閲覧した。

■ デモ隊員を追って‘ズームイン’

パク氏は 「鳥肌が立った」と語った。 ‘その日’午後5時から1時間余りにわたって撮影された映像を見れば、カメラはパク氏をはじめとする集会参加者を追いかけるように動いていた。 それだけでなく "顔を判別できる水準」 までズームイン・ズームアウトが繰り返されていた。 1時間でズームインは16回、パンは10回行われていた。中区庁統合管制センターは情報公開請求に対して閲覧は許容したが、パク氏らの映像情報が記録されたファイルは渡さなかった。 写真撮影も阻んだ。 パク氏は「不法に集会参加者を監視し、集会・デモの自由を侵害している」と話した。

 去る15日には‘柳成(ユソン)希望のバス’も京釜(キョンブ)高速道路忠北(チュンブク)沃川(オクチョン)ICに設置されたCCTVに精密監視されていた事実が暴露されもした。 この時も高速道路のCCTVは希望のバスを追いかけて旋回しながら撮影していた。

 これらは全て不法だ。 現行の個人情報保護法は "設置目的と異なる目的で映像情報処理機器を任意に操作したり、他所を撮影してはならない」として、CCTVの‘目的外使用’を厳格に禁じている。 駐車違反取り締まり用CCTVで集会参加者を撮影したり、防犯用CCTVを操作してパン・ズームイン・ズームアウト機能などを活用してはならないよう定めているわけだ。 これに違反すれば3年以下の懲役または、3000万ウォン以下の罰金に処される。 現行法が防犯用・交通管制用などCCTVの目的別管理体系を設定したのも、深刻な水準の私生活侵害を防止するためだ。

■ ‘無差別管制’を不法許容

 全国の市・郡・区などの各地方自治体が、警察と業務協約を結び全国101ヶ所で運営する統合管制センターのCCTVは随時‘目的外’に悪用される可能性が非常に高い。 さらには101ヶ所中の41ヶ所では‘目的外使用’を業務指針に明示してさえいる。

 ソウル江東区(カンドング)と江東警察署が結んだ協約書には "警察署長は防犯以外の目的別に設置されたCCTVに犯罪映像が捉えられた場合には、これを管制できる" という条項が盛り込まれている。 ソウル中区は駐停車取り締まり、公園管理用、ゴミ無断投棄取り締まり用など、それぞれの目的により設置された機器を夜間あるいは有事の際に防犯用に切り替えるという‘多目的用CCTV’概念を導入した。 もちろん法的根拠はない。 蔚山市(ウルサンシ)東区も所轄警察署との協約書に "防犯用以外の用途のCCTVを防犯用として活用する時には(これを)防犯用CCTVと見なす" と規定している。 地方自治体と警察が協約書一枚で‘無差別管制’を無断許容したわけだ。

 同様に不法な‘ズームイン・パン’機能を許容している統合管制センターは23ヶ所に達する。 仁川市(インチョンシ)桂陽区(ケヤング)統合管制センターは‘モニター勤務者’に対する業務指針に "挙動不審者および不審な車両(バイク)発見時にはズーム機能を活用して録画しなさい" と明示している。 全北(チョンブク)金堤市(キムジェシ)管制センターの指針には "旋回式カメラ モニタリング後、カメラの位置は重要地点に焦点を合わせるよう操作しなさい" という指示がある。 全て個人情報保護法違反の内容だ。

■ "情報人権 深刻な侵害"…

 情報専門家たちは警察官の統合管制センター常駐と無差別管制は、それ自体が深刻な情報人権侵害だと一斉に指摘した。 チャン・ヨギョン進歩ネットワークセンター活動家は「個人情報保護法は捜査機関によるCCTV活用を‘犯罪捜査と起訴の維持’等、例外的な場合にのみ認めている。 公共機関のCCTVを通した警察の日常的監視は厳格に現行法に違反する行為であり、情報人権に対する深刻な侵害」と話した。

 地方自治体の統合管制センター自体が問題という指摘も出ている。個人情報保護委員であるユン・ジョンス弁護士(前ソウル北部地方裁判所部長判事)も「管制センターは当初から設置された映像情報処理機器の目的外利用を前提としているという点で問題の素地が大きい。 特に管制センターに常駐する警察官は映像情報処理機器運営者である市・郡・区の所属ではないので、警察官がモニタリングと活用に関与する法的根拠はない」と話した。

ソン・ホギュン記者 uknow@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/629527.html 韓国語原文入力:2014/03/24 09:45
訳J.S(2509字)

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