昨年11月カンボジア プノンペン南西部のスタンミアンチェイでシンガポールの繊維加工メーカーSLの労働者が賃金の引き上げおよび処遇改善を要求してデモを行った。 当時カンボジア警察はデモ隊に向けて銃を撃ち、露天商を営む40代の女性が亡くなり6名が負傷した。
当時カンボジア警察は集まるデモ隊を分散させるために消防車(ポンプ車・写真)を使って放水中を撃った。カンボジアの実状を扱うホームページなどに上がっている当時のデモ現場を撮影した映像を見れば、労働者に水を放っているポンプ車には太極旗が鮮明に刻まれている。 放水銃として利用されたこの消防車は、釜山市消防安全本部がカンボジアの首都プノンペンに寄贈したものであることが明らかになった。 消防と災害防止用に提供された車両が、現地労働者を弾圧する用途で使われているわけだ。
23日、釜山市消防安全本部関係者などの話を総合すれば、釜山本部は2011年プノンペン市にポンプ車2台、水タンク車4台、救急車・移動給食車・照明車 各1台ずつなど計9台の車両を無償で贈った。 車両には‘釜山広域市の市民が寄贈した車両’とハングルと英文で並記されている。 太極旗とカンボジア国旗も字句の両側に描かれている。
カンボジア現地の海外同胞はこの日<ハンギョレ>との電話通話で「カンボジア警察がデモ隊を鎮圧するために太極旗の描かれた消防車を使うのをしばしば見た」と話した。
釜山本部は寄贈した車両がデモ鎮圧用に使われているという事実に当惑した表情を見せた。 釜山本部関係者は「車両がデモ鎮圧用放水銃として使われるとは全く思わなかった。 釜山とプノンペンは姉妹提携都市だが、公的開発援助次元で火災鎮圧などの災害を防ぐ時に使うよう譲り渡したもの」と話した。 この関係者は「この車両は現在我が国では使わない車両であり、良いことに使うからというので職員が完全に修理してカンボジアに贈ったものだ。 デモ鎮圧に使われると分かっていれば送らなかった」とし、がっかりしていた。
カンボジアの労働者を鎮圧する映像に太極旗が登場したのは今回が初めてではない。 去る2日、プノンペン経済特区近隣の韓国の繊維会社躍進通商前でカンボジア911空輸部隊員が最低賃金を160ドルに引き上げよと主張する労働者を鎮圧する映像にも、ある空輸部隊員の軍服に太極旗がついている姿が出てくる。 これに伴い、韓国の業者と空輸部隊の癒着の疑いに火がつきもした。
イ・ジェウク記者 uk@hani.co.kr、ダウムカフェ‘クメールの世界’動画キャプチャー