‘分給’(分単位で計算される給与)をご存知ですか? ‘時給’は知っていても‘分給’はおそらく初めてお聞きになったことでしょう。 三星電子サービスのエンジニアたちは、移動時間、修理準備時間などは全て抜いて、製品を修理する時間だけを計算し1分当り225ウォンの分給を受けとっています。"
24日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議員会館第2懇談会室で開かれた‘再び、三星を問う-三星と韓国社会の選択’ 4次討論会(三星の経営方式と利害当事者)で討論者として参加したチョ・コンジュン全国金属労組京畿(キョンギ)支部教育宣伝部長は 「三星の協力業者の賃金がお話にならない」として‘分給’を紹介した。
チョ部長はまた「三星は労働者どうしで賃金を比較し難い。秘密主義のためだ。自身の給与も公開できないよう禁止し脅迫までしている」と暴露した。
三星の役員と職員間の賃金格差は他企業に比べ大きな差を見せる。 ‘三星の人事労務管理方式-三星の勤労時間と賃金、問題はないか?’を主題に提案を行ったリュ・ソンミン京畿大教授(経営学科)は「2012年三星の役員平均年俸は11億7000万ウォンで、三星職員の平均年俸(6400万ウォン)の17.6倍に達した」と紹介した。 特に「三星電子の場合、役員平均年俸は53億ウォンで職員平均年俸(7000万ウォン)に比べて何と74倍多かった。 これは2011年30大大企業役員および職員平均年俸(約13倍)とも大きな差を見せる」と話した。
三星の勤労時間は他企業に比べて長いというのが一般的な評価だ。 しかし、三星の勤労時間がまともに公開されたことはない。 リュ・ソンミン教授は「三星の勤労時間は正確に知ることはできないが(公式統計値は)統計法違反だとして公開もできない」と話した。 彼は「2004年三星SDIの勤労時間違反に対して三星は‘会社残留時間は勤労時間ではない’というとんでもない疎明を出し、労働部はこれを受け入れ処罰しなかった」とした。
彼はまた「三星電子サービス協力業者チーム長が法定公休日(2012年大統領選挙日)に勤めて過労死し、最近産業災害として認定されたが、彼の一週間の勤労時間は何と68時間以上だった」と話した。
金属労組のチョ・コンジュン部長も討論で「三星電子サービスのエンジニアの中には、一日17時間勤務したケースもある。しかし午前8時~9時、午後6時以後は勤労時間として計算しない‘無料労働’」と嘆いた。
三星の下請け問題に対しても熱い討論が続いた。 キム・ジュイル韓国技術教育大教授(産業経営学部)は‘三星の下請け、果たして共生か?’という主題発表で、三星の下請け問題に対して△下請け企業等を勝手気ままにする下請け単価たたきと公正取引法違反△間接雇用労働者を死に追いやった偽装下請け問題△元請けは利益を得て、下請け業者は損害をこうむる寄生関係の三点で説明した。
討論者として参加したチョ・ソンジェ韓国労働研究院先任研究委員は「三星は下請け業者の中を見通し利潤創出の余地を奪ってしまう。 したがって三星の下請け問題は、企業間の正常な取引ではなく、労働問題として眺めなければならない」と指摘した。 彼は「元請け(三星)と下請けが共生に進むためには、多段階下請け関係を克服する労働権と労働運動を強化しなければならない」と強調した。
チョン・スンウ東国(トングク)大教授、チ・ジュヒョン慶南(キョンナム)大教授、パク・ジュンウ‘共にする市民行動’活動家は‘三星広告の変遷から見た韓国社会支配談論の変化’で、三星が広告を通じて‘三星イデオロギー’を見せていると話した。すなわち△‘男は女次第です’という広告台詞で家父長的家族主義を見せており、△‘誰も2位のことなど覚えていない’という広告では‘一等主義’を強調し、△ノートブックと携帯電話の広告では、それとなく休日勤務を称賛していると指摘した。
文・写真 キム・ドンフン ハンギョレ社会政策研究所首席研究員 cano@hani.co.kr