政府高位当局者が記者たちと公式懇談会の席で韓-米間の北韓情勢評価会議開催について説明し‘北韓の変化誘導’という表現を使ったことは非常に異例的だ。 北韓体制に対する自負心を強調する北韓当局が、これにアレルギー的な拒否感を示すことが十分に予想されるためだ。 韓・米外交当局者はたとえこのような議論をしたとしても‘北韓情勢に対する安定的管理’をしていくことで合意したという形で遠まわしに表現するのが慣例だ。
さらにユン・ビョンセ外交長官は7日(現地時間)米国ワシントンでジョン・ケリー米国務長官と会談した後、特派員懇談会で「チャン・ソンテク処刑など北韓のリーダーシップが予測不能であり内部情勢がきわめて流動的」と強調した。 政府高位当局者は‘韓-米外交長官会談で急変事態問題も議論されたのか’という質問に 「した、しないと言うことは困難」としつつも「そういうことを排除する必要はない」と答えた。 北韓当局としては‘挑発’と受け入れるに足る発言だ。
しかし‘北韓の変化誘導’という政府高位当局者の発言が、韓・米がジョージ・ブッシュ行政府の時のように北韓の‘政権交替’推進までを念頭に置いたものであるかは明らかでない。 ただし朴槿恵(パク・クネ)大統領が新年記者会見で強調した‘韓半島統一基盤造成’という脈絡とは何らかの関連があるように見える。 これと関連してユン外交長官は記者会見で 「韓・米は核問題を越えて、韓半島の持続可能な平和構築問題、一歩進んで朴大統領が新年記者会見で話された韓半島の平和統一基盤造成のための戦略的協力も強化することにした」とし、そのために北韓情勢を評価する会議を開くことにしたと明らかにした。
匿名を要請した政府高位当局者の説明もこれと一脈通じている。 この高位当局者は‘北韓の変化を誘導する政策としてどんなものがあるか’という質問に 「北韓政府に対する既存の方式がありえ、北韓住民に対するものもありえ、それを成し遂げる形式も多様にありえる」と話した。 また、韓国独自の政策よりは米国・中国・国連など国際社会も関与できる方向で政策が推進されるだろうとも話した。 だが、中国側が韓・米のこのような接近法に同調する可能性は非常に低い。
米国側が北韓情勢を評価する高位級会議の開催に合意したことは、脈絡が少し異なるとみられる。 オバマ行政府は昨年末のチャン・ソンテク処刑事態以後、北韓指導体制の不安定性に注目していると知られている。 ジョン・ケリー国務長官は昨年末、米国の放送とのインタビューで、チャン・ソンテク処刑事件に関して 「金正恩体制の無謀さと不安定性を示したこと」という評価をした経緯がある。 彼は当時「金正恩のような人の手に潜在的に核兵器を持たせることは、これまで以上に受け入れ難くなっている」として「我々が中国・ロシア・日本・韓国と同じ態度を取る緊急性を考慮する必要があり、非核化にできるだけ多くの努力を傾ける必要がある」と話した。 政府当局者は「米国は北韓の新しい体制に対する若干の不安がある状態で、チャン・ソンテク処刑まで起きた結果、今後展開する状況に対して過去のいつにも増して敏感に反応しているようだ」と伝えた。
しかし韓・米のこのような政策方向は、そうでなくても5年以上にわたり開かれずにいる6者会談の枠組みを弱化させざるをえないという憂慮が出ている。 遅々として進まない北核交渉より‘北韓問題’対応に焦点を合わせるという意であるためだ。 北韓がこれを口実に6者会談に対して消極的に出てくる可能性の他にも、既存の6者会談首席代表の役割と地位を弱化させる恐れもある。 実際、政府当局者は北韓情勢を評価する会議がどんな方式でなされるかはまだ確定していないと前提にしながらも 「6者会談首席代表よりさらに高位級で行われるようになることもありうる」と話した。 彼は「ひとまず韓-米間で始めて、必要ならば中国などに拡大する可能性がある」と付け加えた。
ワシントン/パク・ヒョン特派員 hyun21@hani.co.kr