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[インタビュー]「政府が強く出たからといって解決できるものではない…労組は対話を望む」

登録:2013-12-27 00:00 修正:2013-12-27 08:06
曹渓寺に移ったパク・テマン鉄道労組首席副委員長インタビュー
鉄道労組スト17日目の25日夕方、ソウル鍾路区の曹渓寺に隠身中のパク・テマン全国鉄道労組首席副委員長(右)が記者会見のために出てきたところ。歩きながら、スト支持者たちに拳を上げてあいさつしている。パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

社長も総理も民営化でないと言うが
担当が替わればいつでも話は変わり得る
防止対策を確実にしなければ信頼できない

最後の砦である民主労総が侵奪された後
行き場がなく、前触れなく曹渓寺を訪ねた
国民の安全ためのスト、理解してほしい

 「犬が引きずられて行くように膝を屈して現場に復帰することもできる。もしそうなれば、ストをやったことに何の意味があろうか。 私たちに膝を屈しさせることはできても心を承服させることができなければ、このようなスト事態は再び起きる。 政府が強く出たからといって解決できる問題ではない。」

 クリスマスの前夜、警察の手配を避けてソウル堅志洞(キョンジドン)の曹渓寺(チョゲサ)極楽殿に身を隠したパク・テマン(54)全国鉄道労組首席副委員長は、25日<ハンギョレ>とのインタビューで、政府の強硬策に屈服しない考えを明確に示した。 38年間駅員として働きながら、2002年に一度解雇されて5年間職場を離れたことがあるパク副委員長は「私たちは賃上げを要求してストライキをしているのではない。 海外の事例に見られるように、鉄道が民営化されれば最も脅かされるのは国民の安全だ」と力を込めて話した。

鉄道労組は、今回の水西(スソ)発KTX(高速鉄道)子会社設立が民営化の始まりと見ている。 KORAIL(韓国鉄道公社)と政府は「民営化ではない」という言葉ばかり繰り返しながら、スト解除を促している。どうして政府の言葉が信じられないのだろうか?

 「チェ・ヨネ KORAIL 社長は民営化されれば線路の上に横たわると言い、総理や大統領も揃って民営化ではないと言っている。 私たちがこの言葉を信じられないのは、担当者が変わればいつでも変わる可能性がある言葉だからだ。 チェ・ヨネ社長が一生 KORAIL 社長をするわけではない。 大統領も4年後に変わる。 その時になって(KORAIL の)赤字がひどいからと民営化手続きを踏み「私はそんなことを言っていない」と言い逃れすれば、その時はどうしろというのか。もっと明確な民営化防止対策が伴わない限り、そんな言葉は信頼できないということだ。

 パク副委員長は避難先に曹渓寺を選択した理由については「民主労総が最後の砦だったのだが、(警察によって)侵奪された後、行くあてがなかった。それで私たちは事前の許諾もなしに出し抜けに訪ねた。いわば招かれざる客だった。この部分については曹渓宗におわび申し上げる。私たちを拒まずに温かく迎えてくれてありがたく思う。今や民営化等の問題が単に労組と会社の問題ではなく、全社会の問題となった。宗教及び社会団体も関心を持ってほしいという意味だった」と述べた。 パク副委員長をはじめ、曹渓寺に入ってきた鉄道組合員5、6人は、極楽殿2階の大説法殿(法会・教育などが開かれる多目的空間)に留まっている。

 彼は、ストが長引くにつれて国民の感じる不便さについても「申し訳ない」と述べた。 「列車の運行間隔が長くなることもそうだが、もっと問題なのは、現在 車両整備もきちんと行なわれていない列車が走り回っていることだ。 国民に対し、このような点は申し訳なく思う。 私もまた別の事故が起きはしないかととても心配している。 しかし、我々の闘争は国民にもっと良いサービスと安全を提供するためのものである。 理解していただきたい」と述べた。

 2009年のスト当時と変わった点があるかを尋ねた。 「当時は賃金問題が前面に浮上した。実はあの時も民営化問題を提起したが、イシューにならなかった。 今はあの時とは世論が違う。国民もこの点を分かってくれているようだ」という答えが帰ってきた。

 パク副委員長は何よりも政府との対話を望んでいた。 「1万の鉄道労組の組合員が望んでいるのは簡単なことだ。 それは対話だ。 私たちが信じられる民営化防止対策を提示して対話を要求してくるならば、対話の場に出る意思がある。 雇用労働部長官が「鉄道労組とは会わない」と発言するなど、政府が対話を拒否しているこの状況を解決するのは、結局政府の責任だ。」

 昨夜は寒くはなかったかと尋ねた。 「寒くはなかったが、心が落ち着かず、よく眠れなかった」と答えた。指名手配者の答えが、現在の鉄道労組の状況を代弁しているようだった。

イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/617043.html 韓国語原文入力:2013/12/25 22:30
訳A.K(2092字)

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