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[チャン・ソンテク粛清以後] 金正恩体制 「素早く強化」 「政治経験少なくさらに見守らなければ」

登録:2013-12-10 22:54 修正:2014-09-05 19:35
専門家ら 1人統治強化を展望する中
一部では "混乱招くかも"
経済運用は内閣中心で
北韓-中国経済協力、パク・ポンジュ総理が牽引するもよう
北韓-中国の経済協力を主導してきたチャン・ソンテク前朝鮮労働党行政部長の突然の粛清は、北韓の経済政策にどのような変化をもたらすだろうか? 先月8日、北韓の代表的特別経済区域の一つである咸鏡北道(ハムギョンブクド)羅津(ナジン)港に経済建設を促すスローガンと図版が掲げられている。 羅津/APニューシス

 チャン・ソンテク前朝鮮労働党行政部長の粛清以後、北韓は金正恩1人支配体制を素早く強化するものと見られる。 また、内閣を中心に経済を運営するという展望も出てくる。 しかし、チャン前部長に対する突然の粛清が、中長期的に金正恩体制や北韓の経済建設に薬になるか、毒になるかはまだ予断し難い。

 叔母の夫であり後見人であるチャン前部長を無慈悲に粛清する姿を見せることによって、金正恩朝鮮労働党第1秘書の権力は急速に強化されるものと見られる。 チャン前部長の粛清と側近に対する公開処刑が、北韓の権力層に投じるメッセージは簡明だ。 ‘忠誠をつくさなければ、あなたもあのようになりうる’ということだ。 不安感を醸成し忠誠競争を誘導するということだ。 キム・ヨンヒョン東国(トングク)大教授は 「今回の措置で金第1秘書の直轄統治、NO.2を容認しない唯一領導体制が強化されるだろう」と予想した。 ある脱北知識人も 「金正恩は叔母の夫を除去する措置で内部権力体系を完全に線引きし整理した。 金正恩の権力が非常に強力になる契機となるだろう」と話した。

 しかしチャン前部長の粛清にともなう影響は速断しにくく状況を更に見守らなければならないという意見もある。 ヤン・ムジン北韓大学院大教授は「金正恩体制でNO.2を除去したことが、北韓や金正恩にとって機会となるか、危機になるかはもう少し見守らなければならない。 政治的経験が不足した金正恩が、熟慮せずにチャン・ソンテクを除去したとすれば、今後相当な混乱を招くこともありうる」と語った。

 経済部門では内閣が前面に出て改革を導いていくものと予想される。 北韓当局はチャン前部長の粛清決定文で "チャン・ソンテクは党が提示した内閣中心制、内閣責任制原則に違反し、国の経済事業と人民生活向上に莫大な支障を与えた" と批判した。 チャン前部長が党行政部を通じて党を掌握し経済を主導しながら、内閣を無視して経済が円滑に回らなかったということだ。 金第1秘書は昨年4月6日談話で "経済事業で提起されるすべての問題を内閣に集中させ、内閣の統一的な指揮により解いていく規律と秩序を徹底的に打ち立てなければならない" と強調した経緯がある。

 この間、チャン前部長が主軸になって管理してきた北韓-中国経済協力事業は、一定期間打撃を受ける可能性がある。 北韓の経済特区に対する開発投資に参加した中国の大規模国営企業の動きも尋常でない。 しかしチャン前部長の指導の下で経済建設を主導してきたと知られるパク・ポンジュ総理と内閣の地位が大きくなれば、対外経済協力は再びはずみをつけることもありうる。

 チョン・ソンジャン世宗(セジョン)研究所首席研究委員は「チャン・ソンテクの失脚で彼が掌握してきた羅津(ナジン)・先鋒(ソンボン)特区と黄金坪・威化島(イファド)特区の北韓-中国共同開発と外資誘致が短期的に支障をきたすことがありうる。 しかし、もしこれらの事業が内閣に移管されるならば、パク総理の経済改革・開放政策は力を得ることになりうる」と話した。 キム・ヨンチョル仁済(インジェ)大教授は「チャン前部長の粛清決定文を見れば、北韓は今後内閣の地位と役割を強化するものと見られる。 軍と内閣、この両者で北韓が方向を定めていくだろう」と予想した。

 伝統的に党権力を掌握してきた組織指導部が力を得るという展望もある。 キム・クンシク慶南(キョンナム)大教授は「党行政部は権力交代期に過渡機構として寿命が尽きたと見られる。行政部が廃止され組織指導部が強化されるだろう」と話した。

チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/614846.html 韓国語原文入力:2013/12/10 22:04
訳J.S(1883字)

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