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[来週の質問] ‘キム・ジンテ公安総長’時代 来るのか

登録:2013-12-06 21:12 修正:2013-12-07 13:33
2日午後、朴槿恵(パク・クネ)大統領が新任キム・ジンテ検察総長に任命状を授けている。 大統領府カメラマン団

 一緒に話をしていながら、実はそれぞれ別の話をするのは‘火星人男と金星人女’だけではない。 政治や事業など、疎通が問題になるすべての領域で‘同床異夢' 対話が起きうる。 そんなことが甲乙関係や上下関係で起きれば、大きな失敗につながりうる。 乙や下級者はどのようにしなければならないのだろうか?

 前置きが長い理由は‘氏’という呼称さえ不敬だという朴槿恵(パク・クネ)大統領に関する話であるためだ。 彼女の話を手帳に書き取り従わなければならない立場としてはおそらく一層気をつけなければならないのだろう。

 朴大統領は去る2日、キム・ジンテ新任検察総長に任命状を与えながら「憲法を無視したり自由民主主義まで否認すること、これに対してはきわめて断固として、且つ厳正に法を執行し、そんなことを考える意欲も出ないようにしなければならない」と強調した。 どういう意味なのかは前置きの話から推測できる。 朴大統領は先月25日、大統領府の会議で「今、国内外の混乱と分裂を引き起こす行動が多い」として「私と政府はこのような事を容認したり見過ごしはしない」と話した。 国家情報院など国家機関の大統領選挙介入に驚いた宗教界から‘大統領辞退’主張が出てきた時にした話なので、‘混乱と分裂を引き起こす行動’はそれを指すということだ。 ‘憲法を無視して自由民主主義を否認すること’も "不信と対決の文化" を助長して "社会的損失と国力の浪費" を招くこのような動き一切を指すということだろう。 維新時代の用語まで動員された彼女の言葉の意味は、別の見方をすれば簡単だ。 公安検察になれという注文だ。

 キム・ジンテ総長も任命式から数時間後の就任式で「自由民主的基本秩序守護」と「法秩序確立」を強調した。 「共同体の安寧秩序を脅かす不法集団の行動に対する断固たる対処」も話した。 それと共に彼は「選挙事件は一切の政治的意味合い抜きに公明正大に処理しなければならない」と話した。 国家情報院事件も選挙法違反事件だ。 キム総長はまた‘自由民主的基本秩序’を 「政治的立場を超越した憲法の核心価値」と表現しながら「検察の政治的中立」と「検察はどこの誰の側でもない」という点を繰り返し強調した。 彼が6日「犯罪と関係ない社会的関心事や単純な疑惑についてまで真偽を切り分けるのは検察の任務ではない」として「政治的中立性問題がなぜ絶えず浮上するのかに関して深い省察が必要だ」と話した部分は、政治権力からの‘請負捜査’が絶えなかった李明博時代の検察に対する反省と読まれる。

 演説文の発言と比重どおりならば、52年生まれの同い年である大統領と検察総長の強調点は微妙に違う。 使っている単語は同じだ。 朴大統領にとって‘自由民主主義’が国論分裂を招く勢力から守らなければならない何かならば、キム総長には政治的立場を超越した憲法的価値だ。 誰が思い違いをしたのだろうか?

 憲法裁判所は去る3月、緊急措置9号などに対して違憲決定を下し "統一された国論の存在は個人の自由が抑圧された全体主義社会で主に想定されること" と指摘した。 憲法裁判所はまた、1990年の決定で‘自由民主的基本秩序’の要素として、基本権尊重、権力分立、複数政党制、選挙制度、司法権独立などを列挙した。 これは多元性、すなわち考えの異なる色々な勢力の存在を認めることが自由民主主義の核心だという意味だ。 国論分裂を黙過できないという言葉は、そうした点で30~40年前の維新時代や70~80年前の全体主義、あるいはそのはるか以前の君主制でこそ出てくる言葉だ。

 総長任命直後にあると予想された検察の後続人事は、来年初以後に延ばされた。 国家情報院事件、チェ・ドンウク前総長査察事件など主な事件捜査もその時までピッチを上げられるようになった。 ソウル中央地検長が空席であり、これら事件の指揮は実際には最高検察庁が務めることになった。 キム総長が直接関わる今後の1,2ヶ月は "検察が自分の姿を探す" 最後の機会になりうる。 説得して理解させなければならない負担まで重なったので、本当に難しいことだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/614360.html 韓国語原文入力:2013/12/06 20:35
訳J.S(1876字)

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