統一部が22日、予定になかった‘スポークスマン声明’を出し、統合進歩党(進歩党)を "憲政秩序を否定する勢力" と非難し "北韓が統合進歩党を操縦してきたことを認めた" と主張し論難を起こしている。 統一部にこういう声明を出させたのは大統領府と国家情報院であることが確認された。
統一部キム・ウィド スポークスマンは午前、政府ソウル庁舎で開かれた定例ブリーフィングで‘対南反政府扇動’と‘韓国国民抑留問題’に対する対北韓メッセージを込めた‘統一部スポークスマン声明’を発表した。 最近、北韓の対南誹謗強度が高まるやこれに対応するという趣旨であった。
ところで、この声明に進歩党を根拠なく誹謗する内容が含まれていた。 キム スポークスマンが読んだ声明を見れば、"北韓は我が国の‘憲政秩序を否定する勢力’までも民主勢力として糊塗しているが、このような態度は北韓自らが我が国内部の‘特定勢力を操縦してきたことを認定’したことに他なりません" となっている。
声明に出てくる‘憲政秩序否定勢力’は去る5日に政府が憲法裁判所に政党解散審判を請求した進歩党を指している。 統一部も直ちにこれを認めた。 「ここで言う問題勢力とは進歩党を意味するのか」という記者たちの質問に、キム スポークスマンは「北韓がこれらに対して民主勢力と言い、すでに憲法裁判所に政党解散審判も請求された状態」と婉曲に確認した。
進歩党に対する統一部の声明内容は不適切だという指摘が出ている。 進歩党が‘憲政秩序否定勢力’という‘疑惑’は、まだ朴槿恵(パク・クネ)政府の主張に過ぎないことに加え、政界でも異見が多く、憲法裁判所はまだいかなる決定も下していないためだ。 特に北韓が進歩党を "民主勢力として糊塗" したので "北韓自ら進歩党を操縦してきたことを認めた" というくだりに対してはゴリ押しに近いという批判が出ている。 キム・クンシク慶南(キョンナム)大教授は「北韓と近い主張をすれば‘利敵行為’になるという国家保安法の論理、過去の公安統治の論理がそのままにあらわれた。 統一部が自主的にこういう声明を出したとは見られない」と話した。
実際、この声明の実質的な発表主体は統一部ではなく、大統領府と国家情報院だったことがわかった。 当初この声明と関連して統一部は「‘関連機関’との協議を経て出したもの」と明らかにしたが、政府のある関係者は「今回の声名は統一部が大統領府・国家情報院と協議して発表したものだ。 声明の内容も統一部よりはこれらの機関の意志が込められたと見なければならない」と語った。 大統領府と国家情報院が渡した原稿を統一部が‘代読’した可能性を表わしたわけだ。
統一部はこの声明と関連した記者たちの質問が相次ぐや、この日午後遅く "特定政党を指し示したものではない" と一歩遅れて退いた。
チェ・ヒョンジュン記者 haojune@hani.co.kr