原文入力:2008-12-21午後09:08:35
服装・頭髪不良は‘転出’…タバコを吸えば‘退学’
ホン・ヨンドク記者
京畿道 今年 ‘学業中断’高校生5627人…人文系多い
情報公開後 ‘不良狩り’に血眼 “公教育放棄”批判
女手一つで生計を立てて息子を育てた父母キム・ミョンスク(40・女・仮名)氏は数日前、学校の呼び出しを受けた。高校1学年の息子がタバコを三度吸って摘発され学校善導委員会に呼び出しされたのだ。 キム氏は担任教師に願い出た。「子供の将来を見て善処してください」と。だが学校側は“学則上喫煙が三度摘発されれば転校したり自ら退学するしか道はない」とだけ答えた。キム氏は「二度摘発された時にでも知らせてくれたらタバコを吸えないようにすることもできたが…」と訴え涙を流した。
教育条件など学校情報公開に続き、学校別学業達成度公開を控えて学校間競争が熾烈になる中でいわゆる‘不適応学生’が大量に学校から追い出されている。
<ハンギョレ>が19日退学(辞退)者が多かった水原地域4ヶ高校の1学年学生退学・転出現況を確認してみるとK高校は退学21人・転出36人,N高校は退学30人・転出34人,T高校は退学15人・転出22人,L高校は退学13人・転出19人で、4ヶ高校で合計79人が退学し111人が転出した。退学した79人は公式的にはすべて自ら退いたことと処理された。京畿道の高校で今年一年間に退学・病気・家庭事情などにより学業を中断した1~3学年学生の全体数は5627人で、100人当り1.3人であったが、これら学校の数値は4~6倍さらに高い。
彼らが退学(辞退)になった理由は学則違反が大半だ。服装と頭髪不良,指示不履行など項目別に罰点を付け累積点数により校内・社会奉仕に続き最終的に退学や転出になる。特に大部分の学校で喫煙は三度摘発されれば退学になるが、一部学校では二回で退学されたりもし、タバコとライターが発見されただけても退学にされる。ある学校関係者は「喫煙測定機を導入し5日前に喫煙した事実も確認することができる」として強い自信を見せた。
高校1年生の大量退出は、学校間成績競争等を通して学校の評判を上げようとする競争意識のために起きているということが学校関係者たちの説明だ。
ある校長は「今年1学年の不適応学生たちを追い出した後、好かれる学校に変わった」と自評した。水原のある中学校教師は「各学校クラス別に成績が良くない生徒たちが3~4人いるが、水原の一般系高校が定員未達のせいでこういう学生たちが毎年1200人ほど一般系高校に進学する」と語った。
学校から追われた生徒たちは教育を受ける機会をのがすだけでなく、挫折感と学校と社会,教師に対する怒りを抱くようになる。喫煙で退学にされたある女子生徒(17)は「学校はどうしてでも私たちを追い出そうとした」として「切られた子供たちどうし夜に学校に集まって爆竹をさく烈させ夜間学習を邪魔して教師たちに悪口を言ったりした」と話した。
学校としては生徒たちの平均成績を上げることができるが、社会としては子供たちに対する公教育を放棄したという批判を避けにくい。ある校長は「一部の子供たちを追い出したことに対して良心の呵責を感じる」と打ち明けた。
タサン人権センターのパク・ジン活動家は「喫煙した生徒などを学校外に追い出すのは生徒たちの行為に比べて過度な懲戒だし、公教育機関が教育機会の平等を完全に否定したという点で批判を受けて当然だ」と語った。
水原/ホン・ヨンドク記者 ydhong@hani.co.kr