国家情報院が去る2月、国家情報院コメント事件の暴露に関与したと疑い、職員チョン・某(49)氏を秘密漏洩疑惑で罷免する過程で証拠をねつ造していた事実が24日明らかになった。 国家情報院は懲戒委員会でチョン氏が元職員キム・サンウク(50)氏とともにコメント作業実務者であるキム・ハヨン(29)氏を尾行したと主張し、キム・サンウク氏の車両が撮影された防犯カメラ(CCTV)動画を主な証拠として提示した。 だが<ハンギョレ>が該当CCTV動画とキム氏の車両を比較した結果、国家情報院が指定した車両はキム氏のものではないことが確認された。
国家情報院は元職員キム氏とチョン氏がキム・ハヨン氏を尾行した証拠として昨年12月10~11日ソウル瑞草区(ソチョグ)内谷洞(ネゴクトン)の国家情報院職員駐車場および面会室駐車場と道路につながる道を撮影したCCTV動画などを提示した。 昨年12月10日付動画を見れば、キム・ハヨン氏が午後2時18分頃に車を運転して職員駐車場から出ていく姿が現れ、同じ時刻の別のCCTV動画には銀色の車両が面会室駐車場を出て道路に向かう場面が撮影されている。 国家情報院はこの動画に登場する車両を元職員キム氏のグレンジャーだと名指しした。 キム・ハヨン氏が職員駐車場を出る時、同じ駐車場にいたチョン氏の連絡を受けた元職員キム氏がすぐに面会室駐車場から出発しキム・ハヨン氏を尾行したということだ。 先月、国家情報院国政調査聴聞会でセヌリ党議員は国家情報院のこのような主張をそのまま繰り返した。
だが<ハンギョレ>による取材の結果、CCTVに出てきた車両はキム氏の車ではなかった。 CCTVに登場する銀色の車両にはサンルーフが鮮明に写っているが、元職員キム氏の車両にはサンルーフがないことが確認された。
国家情報院は大統領選挙介入を目的にコメント作業をしたという論難が起きると、このような事実が外部に知らされたことの方を問題視して論難の焦点をぼかすために職員チョン氏を懲戒し、証拠ねつ造までしたのではないかという疑いをかけられている。 国家情報院はチョン氏と元職員キム氏を公職選挙法・国家情報院法違反の疑いで告発し、検察は選挙に影響を及ぼすために国家情報院の大統領選挙世論操作活動を民主党などに知らせた疑いで2人を不拘束起訴した。 検察はこの日、ソウル中央地裁で開かれた2人の3次公判で問題の動画を証拠として提出したが、今後の裁判過程で証拠能力に対する論議が起きると予想される。
これに対して国家情報院関係者は「裁判中の事件であるためノーコメント。 裁判過程ですべての内容が明らかになるだろう」と話した。
チョン・ファンボン記者 bonge@hani.co.kr