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怪物になった‘変種雇用’…不法派遣、国家統制からも抜け出した

登録:2013-08-21 20:36 修正:2013-08-21 22:11
派遣法15年目の破局
現代車蔚山(ウルサン)工場送電鉄塔で不法派遣労働者の正規職化を要求し296日間の高空籠城を行なった現代自動車社内下請け労働者チェ・ビョンスン氏とチョン・ウィボン氏が8日午後、籠城を解いて同僚らと共にクレーンで鉄塔から降りている。 蔚山/シン・ソヨン記者 viator@hani.co.kr

労働者 差別・不安に追い込まれ
企業は利潤のために責任回避
現代自動車など "不法" 判決 知らぬフリ
MB以後、政府も監督放棄
"不法派遣問題 臨界点を越えた"

 今年に入って不法派遣問題がすべての産業部門で堤防が決壊した貯水池のように噴出している。 今年前半期だけでもイーマート・Tブロード・三星(サムスン)電子サービスのようなサービス部門、仁川(インチョン)国際空港公社に代表される公共部門など全産業部門で深刻な社会的葛藤を起こしている。

 1997年外国為替危機以後‘労働者が生きるためには先ず企業が生きなければならず、そのためには労働柔軟性が拡大しなければならない’という論理で翌年7月に導入された‘派遣勤労者保護などに関する法’は15年後の今、破局をむかえた。

 これは大きく3種類の意味を含んでいる。 まず相次いで出てくる不法派遣問題は、差別と不安に耐えて、生存・労働権の限界水準に追いこまれた労働者の境遇を表わす。 その裏面には利潤最大化と労働に対する責任極小化のためにこのような実態を先導する大企業のゆがんだ顔がある。

 第二に、不法間接雇用は本質的に使用者を隠し、労働者を欺瞞し孤立させる。 分裂した労働者は労働権を主張しにくく、結局不法派遣をさらに拡散させる悪循環を産む。 直接雇用は派遣労働に、派遣労働は不法派遣・偽装請負に、その下には特別雇用形態へと多段階化した。 このように雇用形態は結局使用者の責任が消失する方向に向かって着実に後退した。

 第三に、このような不法‘変種雇用’が法の網を潜り抜け知能化する間に、国家もこれを牽制できない、あるいは統制しないというシステムの失敗を表わす。 2004年現代自動車、2006年KTX,2010年韓国水力原子力で不法派遣問題を提起した下請け労働者に、裁判所が元請けの使用者性を認め‘変種雇用の終息’を警告したが、企業らはこれも無視した。 2004年労働部が8000人余りに及ぶ現代自動車社内下請け労働者の不法派遣を有罪趣旨で判定したが、検察はこれを全て不起訴処分にし、企業らに確実な免罪符を上げた。 その間に企業らは不法派遣の進化を成し遂げた。

 2004~2006年の社内下請け点検で2720社の内507ヶ所の法違反を指摘した政府は、2007~2009年には1339の業者の内7ヶ所の法違反事項を確認しただけだ。 キム・ユソン韓国労働社会研究所先任研究委員は「李明博政府ではビジネス フレンドリー政策のせいで監督がほとんど行なわれなかった」と話した。

 労働界は2013年3月現在、労働者全体1774万余人の内、814万人(46%)を非正規職として見ている。 特別雇用・社内下請けなどまで含めれば1000万人内外になる。 その間に三星電子は2000年7兆4351億ウォンの営業利益が2012年には18兆5104億ウォンへ、現代自動車は1兆3132億ウォンから8兆4369億ウォンに大きくなった。

 ウン・スミ民主党議員は「間接雇用が社会自体を蚕食する悪性ウイルスに変わった」と話した。 不法派遣問題がすでに臨界点を越えたという警告だ。 イム・インテク、イ・ジョングク記者 imit@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/600388.html 韓国語原文入力:2013/08/21 20:11
訳J.S(1474字)

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