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「“密陽(ミリャン)送電塔問題”送電線路容量増やして解決法探そう」

登録:2013-08-09 18:00 修正:2013-08-10 07:32
チャン・ハナ議員、報告書で主張
「短期解決策の後で長期代案探そう」
韓電「専門家協議体で論議が終わった事案」
 慶南(キョンナム)密陽(ミリャン)の送電塔建設に反対する住民クァク・ジョンソプ(67)氏が去る10日午後、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会前で国会産業通商資源委員会所属の議員に「送電塔のない今のまま暮らしたい」と叫びながら伏して頼んでいる。 キム・ギョンホ記者 jijae@hani.co.kr

 慶南(キョンナム)密陽(ミリャン)の送電塔建設問題を巡り政府と地域住民が平行線を走っているなかで「短期的には既存送電線路の容量を増やして解決方法を探し、長期的に代案を探そう」という内容を盛り込んだ研究報告書が出た。

 チャン・ハナ民主党議員(環境労働委員会)は8日「新古里(シンゴリ)~北慶南の765kV送電塔代案検討と政策提言」という報告書を出して「密陽送電塔専門家協議体できちんと扱えなかった争点を検討し代案を探そう」と明らかにした。 委託研究は密陽送電塔専門家協議体住民対策委側委員として参加したイ・ホンソク<エネルギー正義行動>代表が、専門家協議体資料を土台に追加資料を補強して進めた。

■十分な代案摸索があってこそ韓電-密陽住民の信頼回復可能

報告書は「専門家協議体が十分な余裕を持って各情報を検証できる時間を確保できない中で、専門家協議体で議論された代案を検討し、政策的代案提示まで共に扱おうとした」と研究目的を明らかにした。

 また報告書は「過去に韓国電力が密陽送電線路建設に当たって新古里1・2号機原発が連結されなければ電力大乱が起きると広報したが、結局他の線路と連結して安定的に供給されている。 韓電が地域住民を圧迫した事例であって、結局地域住民と韓電間の不信ばかりが積もることになった」と指摘した。 密陽送電塔問題が7年を超えて平行線を辿ったのは、韓電と密陽市と反対側住民の間の信頼がこわれたためという指摘であり、十分な代案摸索がなされなければならないということだ。

■既存送電線路容量拡大、再検討の要あり VS 技術的検証は既に結論済み

イ・ホンソク代表は報告書で「密陽送電塔問題は現在進行中の建設工事と関連した問題で、直ちに新古里(シンゴリ)3・4号機、新古里5・6号機原発建設を控えている。 つまり、長期的な解決法は現在の問題解決にあまり役立たない」と明らかにした。 密陽送電塔建設は新古里原発から北慶南変電所をつなぐ765kV送電線路90.5km区間に161本の鉄塔を建設する事業で、韓電は現在4つの面を通過する52の送電塔建設の必要性を主張している。 これに対し報告書は△新古里(シンゴリ)原発3・4号機が建設・稼動に入る2014年までの代案 △新古里(シンゴリ)原発5・6号機の稼動が予定されている2020年までの代案 △長期的な課題などを提言した。

 まず報告書は既存の古里-新蔚山(ウルサン)、古里~新梁山、古里-蔚州(ウルチュ)区間の送電線路の容量増大を解決法として提示した。 これに対して韓電は、古里-新蔚山(ウルサン)区間だけは容量増が可能だが9ヶ月の工事期間がかかるとして難色を示している。 また、既存線路を活用して新古里(シンゴリ)3・4号機の電力を送電する場合、100%に近い負荷がかかって故障の危険が随時発生し、大規模停電発生の可能性が大きいと憂慮する。

 これに対して報告書は、送電線に連結された古里1~4号機、新古里1~3号機が全て稼動する期間は計画予防整備などを考慮すれば37%(135日)に過ぎないので、送電線路故障による発電機停止、大規模停電などの憂慮はそれほど心配する必要はないと主張する。 古里1号機の来年の計画予防整備が1月2日~22日、古里3号機の整備が2月8日~4月1日に予定された中で、冬季にも7基の原発が全て稼動することはないという説明だ。

 また報告書は「現在、首都圏の送電線路をはじめ全国的に80%以上の負荷がかかった状態で運営されている送電線が多いが、故障波及防止装置の設置で補完している」として代案模索が可能であると主張した。 また、韓電がシミュレーション結果を提示して電力消費が急増する場合、送電線に過度な負荷がかかるというけれども、実際の電力需要は不規則的で、予想ほどには負荷がかからない可能性があると付け加えた。

 だが、韓電関係者は「電力系統の状況は時々刻々変わるので、最悪条件である最大負荷(電力ピーク)時点を基準として問題がないように備えなければならない」と明らかにした。

■老朽原発の延長可否、原発政策決定 考慮すべき

報告書は、2017年に寿命満了如何を決める古里1号機や政府の原発政策などの変数も考慮しなければなければならないと主張する。 さらに中長期的には密陽区間の765KVでなく345kVの地中化(送電線を地中に埋設)を検討してみるべきだと提案した。

 長期的には海辺で電力を生産し遠距離大量輸送をする現在の電力政策を変えなければならないと指摘した。 電力計画を組む際に送電線路建設を一緒に考慮して地域別電力供給体系の可能性を真剣に考えてみるべきだということだ。

 委託研究を推進したチャン・ハナ議員は「密陽送電塔問題で今必要なことは、対立と葛藤、計画推進強行でなく、額を突き合わせて解決方法を模索すべき時だ。 政府の積極的な対話参加と社会的論議が必要だ」と明らかにした。

■専門家協議体で結論済みの事案であり再論議は消耗

韓電は報告書に対して「電力系統分野および土木分野の専門家を含む専門家協議体で40日間にわたり上の代案について技術的な検証を実施し、その結果技術的に不可能だという結論が多数委員から出た。 専門家協議体に参加していた委員が自身の主張と協議体の結論が違うからと言って個別的に相反する主張を展開するのは納得し難い」と立場を明らかにした。 また、既存送電線路活用についても「送電線路故障発生時に衝撃が発電機遮断と大規模停電を引き起こす恐れがある。 また、容量増大工事は8年が必要とされる」として一蹴した。 代案の再議論は消耗だというのが韓電の立場だ。

イ・スンジュン記者 gamja@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/598948.html 韓国語原文入力:2013/08/09 08:27
訳A.K(2710字)

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