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ソク・ジンファン政治部政治チーム記者

　こんにちは。 政治部で大統領府を担当するソク・ジンファン記者です。 6月末、ユン・チャンジュン前スポークスマンの近況をお伝えして以来なので一月余ぶりですね。 今日は週始めに公開された朴槿恵(パク・クネ)大統領のバカンス地‘猪島(チョド)’について説明を差し上げようと思います。

　そうだ、休暇旅行にはもう行かれましたか? 朴大統領は7月29日から8月2日(月～金)まで平日5日をフルに使って休暇届を出しました。 大統領が休暇に行ってこそ長次官から一線の公務員まで連鎖的に顔色を伺わずに休暇に行けるので、大統領の休暇には多くの人々の関心が集まります。

　大統領がどこで休暇を過ごすかは警護問題のためにあらかじめ知らせません。 朴大統領が去る30日にフェイスブックに‘猪島’で撮った休暇写真をあげた時点では、そちらをすでに出発したか、出発する直前だったでしょう。

　猪島は幼い時に家族たちとの思い出がある場所なので、以前から知人たちに 「もう一度行ってみたい」という話をしていたといいます。 その有名な(?) 高等学校1学年の朴槿恵(パク・クネ)生徒のビキニ写真も、父親と弟らと共に海辺で撮った海水浴の写真も、全部猪島で撮ったものです。 朴正熙前大統領は、休暇の度に家族たちと猪島で時間を過ごしたといいますね。

　大統領府秘書陣は朴大統領が休暇で出かけるしばらく前から、どんなコンセプトの休暇写真を一般に公開するかについて苦悶に陥ったりもしました。 のんびりと海釣りをする李明博大統領の写真とか、ウサギの耳をつかんで大笑いしている盧武鉉大統領の写真などをあらかじめ研究したともいいます。 朴大統領が猪島で休暇を過ごすことにして、最終的に家族と共にした‘猪島の追憶’が写真コンセプトとして採択されたようです。

　面積43万4181㎡の猪島は慶南(キョンナム)巨済島(コジェド)の北端から1km程度離れたところです。 島全体が海松と椿、榎などの鬱蒼とした森で覆われ風景が秀逸です。 浜辺には長さ200mの人工白砂浜(海水浴場)があり、島の内部には9ホールのゴルフ場と八角亭(パルガクチョン)、散策道、展望台、自家発電所などが備わっています。 猪島の風景に反して、朴正熙大統領は1973年ここにあった木造建物を壊し、花こう岩で専用別荘を作り以後ずっと海の大統領府という意の‘青海台(チョンヘデ)’と呼ばれました。(後に李明博大統領は猪島に休暇に来て‘私が現代建設課長だった時にこの別荘を作った’と打ち明けたといいます。)

　ずば抜けた風景にもかかわらず、猪島は一般の人たちには‘行く能わざる島’です。 島全体が国防部の所有で軍事保護施設であるためです。 猪島が経験してきた険しい歳月のせいで島自体が巨大な軍事施設になってしまったのです。

　日帝強制占領期間である1920年から日帝は猪島を日本軍の通信所と弾薬庫として使いました。 日帝の軍事施設をほとんどそのまま使った韓国戦争の時も、猪島は駐韓連合軍の弾薬庫として活用されました。 韓国戦争以後、海軍は猪島の軍事施設を整備して李承晩大統領の休養地として差し出し、1975年には最初から猪島の行政区域を巨済郡(コジェグン)から海軍統制本部のある鎮海市(チネシ)に編入してしまいました。 軍事政権が終わって金泳三大統領の時である1993年に青海台が大統領別荘指定から解除され行政区域も現在の巨済市(コジェシ)長木面(チャンモクミョン)に戻されました。 その後も民間人の出入りは依然として統制されていて、最近では大統領宿舎近隣に宿泊施設が新しく建てられ大統領が訪問する時以外には海軍の休養地として使われています。

　このような事情のために国防部と巨済市の間に若干の葛藤もあるといいます。 巨済市民は巨済圏観光開発計画に含められるように猪島の施設と管理権を返還することを望んでいますが、国防部は軍事保護施設の維持について頑強な立場を守っています。

　かつて盧武鉉大統領は就任初年度の2003年、忠北(チュンブク)清原(チョンウォン)郡にある大統領別荘である‘青南大’を地域住民たちの要求により地方自治体に返した経緯があります。 以後、青南大を返してもらった忠清北道(チュンチョンブクド)が莫大な維持管理費を負担することに困難をきたした事例を考えれば、慎重に考えなければならない問題であるように見えます。 大統領が警護問題に気を遣わずに休暇を過ごす‘人里離れた’場所が一つくらいなければならないという世論もあるようです。

　最後にクイズをひとつ。 猪島は完全な島でしょうか? 答はNOです。車でも行くことができます。 2010年に開通した長さ8.2kmの巨加大橋(巨済(コジェ)～釜山(プサン)加徳島)の中間には猪島に下りる道があります。 有事の際に大統領を待避させるための用途と言いますが、普段は軍が出入りを統制しています。

ソク・ジンファン政治部政治チーム記者 soulfat＠hani.co.kr