政府が4日に発表した‘国家サイバー安保総合対策’を巡り、公共領域を越えて民間部門にまで情報収集の両翼を持つという国家情報院の‘念願’が解決されたという評価が出ている。 すでに中央行政機関など公共領域のサイバー安保業務を受け持っている国家情報院は、この間民間部門まで自分たちの管轄下に置く方案を推進してきた。 今回の政府対策で全国的な国内情報収集網を通した不法査察を繰り返した国家情報院が、サイバー安保を口実に民間部門に‘合法的に介入’することになるのではないかという憂慮が高まっている。
サイバー脅威は、公共と民間の区分が曖昧なだけに二つの領域を包括する対応体系構築が必要だということは政界と専門家グループ、市民団体に大きな異見がない。 しかし、なぜ他の機関を全て差し置いて、不法査察論難から自由になれない国家情報院を実質的なコントロールタワーに指名したのかに対しては評価が分かれる。 たとえ国家情報院に実務総括を任せても‘ビッグブラザー’にならないように、透明性を確保する管理・監督装置が用意されなければならないという指摘が出ている。
政府対策は‘即刻的な’サイバー脅威対応システムを構築することに集中している。 水平的な既存の協力体制では円滑な情報共有と対応に限界があるので、国家情報院を中心において報告・指揮総合システムを確立するという発想だ。 問題は実務総括を名分に、国家情報院に提供される民間部門のサイバー情報がどのように処理され活用され、また廃棄されるのか確認する方法がないという点だ。 イム・ジョンイン高麗(コリョ)大情報保護大学院教授は「過去にも同じ法案が挫折したのは国家情報院が個人情報を誤用する可能性を憂慮したためだ。 国家情報院のサイバー危機管理活動を牽制・監視できる監査機構を設置するように法で明示する方案などが必要だ」と指摘した。
‘サイバー安保秘書官’等の肩書で運営される大統領府コントロールタワーが、公共-民間全領域のサイバー情報を掌握した国家情報院をまともに統制できるかも疑問だ。 大統領府コントロールタワーは、実務総括を受け持つ国家情報院と関連部署・機関間の円滑な業務協力を引き出す水準に留まるという展望が多い。 ‘国家情報院の上に大統領府’があると言って、サイバー民間情報の誤・乱用危険を基本的に遮断することは難しいということだ。 国家情報院は過去に‘北風事件’時も、昨年の‘コメント事件’時も一様に大統領直属機関だったが、結局は‘脱線’した。
ソ・サンギ委員長は「国家情報院が直接民間部門を調査までするわけではない。 国家情報院の実務総括機能もやはり平常時でないサイバー危機状況が発生した時にだけ作動するので、サイバー査察はありえない」と話した。
国家情報院の実務総括機能に賛成する側は 「すでに国家情報院が実質的なコントロールタワーであり、情報収集・分析能力でも最も先んじている」と話す。 未来創造科学部情報保護政策課のオ・スンゴン課長は「民間で扱うことのできない国家機密事項に関連したサイバー安保業務を受け持ってきた国家情報院が、公共と民間を包括する実務総括を務めるのが妥当だ」と説明した。 反面‘仕切り’を設けずに情報を活用する情報機関の根本的限界があるので、国家情報院ではなく未来創造科学部や国務総理室、または、第3の機関を作って実務総括機能を付与しようという意見も出ている。
去る3月20日放送会社と金融機関電算網をマヒさせたサイバーハッキング事件が発生して、朴槿恵(パク・クネ)大統領は閣僚会議で「サイバーテロ対応組織が国家情報院・警察庁・放送通信委員会などに分散していて、体系的で効率的な対応ができていないという指摘がある」として、コントロールタワーの樹立を指示した。 昨年の大統領選挙で国家情報院が組織的にサイバー世論操作を試みたという検察捜査結果は今回の政府対策に反映されなかった。
キム・ナムイル記者 namfic@hani.co.kr