"F-35が入札条件に合わせられない時は‘他の2社から選定’釘を刺すか
予算増額のうわさをなくずべき" と指摘
防衛事業庁 "入札無期限継続"
防衛事業庁が進めている3次次期戦闘機事業の入札流れの可能性が高くなった。 去る6月18日に始まった価格入札に参加した３業者全てが総予算である8兆3千億ウォンを超える金額を書いて出したと分かったためだ。 専門家たちはこの事業を成功裏に終えるには３業者が競争できる雰囲気を作らなければなければならないと口をそろえた。
防衛事業庁と企業等の話を総合すれば、6月18日価格入札が始まった後、3日までにこの事業の総予算である8兆3千億ウォン以下を書いて出した業者は１社もないことが分かった。 防衛事業庁関係者は「我々が必要と判断する時まで無期限に入札を継続する計画」と明らかにした。
しかし価格入札が続いても企業等が8兆3千億ウォン以下を書いて出す可能性は非常に低く見える。 最も大きな理由はF-35A(以下 F-35)の存在のためだ。 防衛事業庁は今回の入札でどの業者でも8兆3千億ウォン以下の価格を書いて出せば選ばれ得ると明らかにした。 しかし空軍が最も好むF-35(ロッキードマーティン)が8兆3千億ウォン以下を書いて出せない場合に、8兆3千億ウォン以下を書いて出した他の業者を選定出来るかについては依然として不透明な態度を取っている。 防衛事業庁のある関係者は「8兆3千億ウォン以下を書いて出す業者が2社なら総合評価の後に防衛事業推進委員会で、１社ならば防衛事業推進委で選定有無を最終決定することになっている」と明らかにした。
専門家らは3次次期戦闘機事業を今年中に適切な費用で終えるには、F-35を購入してほしいという空軍の要求を振り払う覚悟をしなければならないと話した。 ある国防専門家は 「F-35にこだわる理由がない。 ユーロファイターやF-15も全て立派な戦闘機だ。 F-35のために他の企業等も価格競争に乗り出さずにいる。 F-35を購入しなくともかまわないという考えで入札してこそ、企業等が競争するだろう」と話した。
現在、米国の対外武器販売(FMS)制度によりロッキードマーティンの代わりに入札に乗り出した米国政府はF-35の価格を書いて出したかさえ不確かだ。 また、価格を書いて出したといっても、それは後に韓国政府が支払わなければならない価格とは関係がない。 支払い時点で米国政府が提示した価格を無条件に払わなければならないためだ。 他の業者のある関係者は 「F-35の場合、開発完了後の予想価格を書いて出せるが、他の２業者は確定価格を書いて出した。 これは完全に不公正な入札だ。 私たちは幽霊と競争している」と批判した。防衛事業庁関係者も「米国政府に確定価格を提示するよう要求したが、約束を得られなかった」と明らかにした。
企業等の価格競争を引き出すには、8兆3千億ウォン以下の価格を書いて出した業者の中から必ず事業者を選定するという方針を明らかにしなければならないという指摘が出ている。 イ・ヒウ忠南(チュンナム)大総合軍需体系研究所長は「３業者すべてが作戦要求性能(ROC)を備えているので、３社中の一社だけでも8兆3千億ウォン以内で入札すれば選定すると言えば、企業等はどんな術を使ってでも価格を合わせてくるだろう。 選定さえされれば、武装や運営維持費で安い価格を埋め合わせることもできるため」と話した。
この事業の総予算規模に対する防衛事業庁の不透明な態度も企業等が価格競争に出ない原因になっている。 防衛事業庁は最近になって8兆3千億ウォンの今回の事業予算は増やすことはできないという点を強調している。 しかし、少し前までは9兆9600億ウォン(120%)まで予算を増やすという話が国防部と防衛事業庁内に広まっていた。 特に空軍が最も好むF-35が8兆3千億ウォン以下を書いて出す可能性が殆どないという点から見ても、予算増額の可能性は大きいように見られた。
したがって、今からでも政府がこの事業の最終予算を8兆3千億ウォンと9兆9600億ウォンの間で明確にする必要があるように見える。 予算が9兆9600億ウォンに増えるのであれば、誰も8兆3千億ウォンを書いて出さないためだ。 キム・ジョンデ<ディフェンス21プラス>編集長は「初めから8兆3千億ウォンが最終予算だと釘を打ち込んでいれば、企業等がこの価格を真剣に悩んだだろう。 今からでもどちらが最終予算なのかを明らかにしなければならない」と話した。
キム・キュウォン記者 che＠hani.co.kr
訳J.S(2055字)
