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空中戦最強「ユーロファイター」か、ステルス武装「F-35A」か

登録:2013-06-12 00:51 修正:2013-06-12 10:51
「次期戦闘機」入札候補の長短所
ヨーロッパ航空「ユーロファイター タイフーン3」
破格の技術移転・機動性「長所」
ステルス・内部武装不可「短所」

ロッキードマーティン「F-35A」
戦争初期 施設精密打撃に有用
最も高いうえ、まだ完成できておらず

ボーイング「F-15SE」
空中戦能力・ステルス機能 疑問
F-15運用経験活用「最大の強み」

 三次次期戦闘機(FX)事業には、ロッキードマーティンのF-35A、ボーイングのF-15SE、ヨーロッパ航空防衛宇宙産業(EADS・ヨーロッパ航産)のユーロファイター・タイフーン3など、全部で3機種が入札に参加して競争している。

 最も関心を引くのは、破格的な技術移転を提案したユーロファイターと、レーダーに対するステルス機能を有したF-35Aの間の競争だ。すでに次期戦闘機事業1~2次で60機のF-15Kを韓国に販売したボーイングは、彼らよりは、少しリラックスしている立場だ。

 ユーロファイターは、英国とドイツ、イタリア、スペインなど四か国が共同開発した戦闘機だ。胴体のうち、操縦席は英国、操縦席を除いた胴体はドイツ、両翼はイタリアとスペインがそれぞれ開発・生産して全量供給する。現在までに、開発・生産国を中心に英国に232機、ドイツに180機、イタリア121機、スペイン87機が契約された。共同開発国の他には、2002年にオーストリアが18機を購入する契約を結んだ。韓国がユーロファイターを購入する契約を結ぶ場合、スペインで生産された7機の戦闘機を譲り受けることになる。

 ユーロファイターの長所は、優秀な機動性と空中優勢(支配)能力だ。空中戦ではユーロファイターは、韓国が保有しているF-15Kより優秀だと知られているし、2012年6月には、世界最高の戦闘機に選ばれているF-22ラプターとの模擬近接空中戦に勝利することもした。ユーロファイターは、速度や航続距離、上昇高度、レーダー探索距離など全てに優れた性能を持っているが、対レーダーステルス機能がなく、このために内部武装が可能でないという点が短所と指摘される。

 F-35AはF-22の「普及型」戦闘機だ。F-22は卓越した性能を持っているが、価格が非常に高くて維持費を多く要す短所を補完するために開発されている。これは既存の戦闘機の中では、F-15と普及型F-16の関係に似ている。したがって、F-35の最大の強みは、対レーダーステルス機能であり、これは、戦争初期、主要施設に対する精密打撃に有用だと評価される。 また、空中戦でも、さらに遠い距離で相手より先に敵の戦闘機を発見して攻撃することができる。

 しかし、F-35Aはいくつかの問題点を抱えている。最も重要な問題は、まだ完成しておらず、胴体亀裂など欠陥が継続して発生しているという点だ。 最近、米国議会は、早ければ2016年にこの戦闘機を契約者に引き渡すこともできると明らかにした。しかし、我が国の一部の専門家たちは、この戦闘機の性能安定化は2020年以後に可能なことだと予想している。また、F-35は、ステルス機能がF-22に遠く及ばないと推定され、双発機であるF-22とは異なり単発機なので、エンジン故障時に非常に脆弱だ。価格も3機の競争機種の中で最も高く、維持費もやはり最も多く要すると予想される。

 F-15SEは、既存F-15戦闘機の改良型だ。ボーイングは、韓国にだけ販売を提案したこの機種に内部爆弾倉を設置して、対レーダーステルス機能を追加すると明らかにした。この機種は、現在アジア圏で最も優秀な戦闘機と検証されたし、韓国空軍の主力機として、すでに60機が運用されている。 したがって、既存の運用ノウハウと維持・保守人材を十分に活用できるという点が強みに挙げられる。価格も3機種の中で最も低いと予想される。しかし、空中戦能力ではユーロファイターに押されて、ステルス機能ではF-35に至らないと評価されている。

キム・キュウォン記者 che@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/591224.html 韓国語原文入力:2013/06/11 14:49
訳M.S(1799字)

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