5・18光州(クァンジュ)民主化運動記念日を控え、<TV朝鮮>と<チャンネルA>などの総合編成チャンネルが「北の5・18介入説」など根拠薄弱な主張を一方的に放映している。 これに対して民主党と市民らは「総合編成チャンネルは根拠のない報道で5・18の歴史的事実と意味を歪曲するな」と批判した。 また、民主党が放送通信審議委員会にこれらの番組の審議を申請し、波紋が広がるものと見られる。
<チャンネルA>は15日夜の総合ニュースで「(1980年) 5・18民主化運動当時、自らが光州(クァンジュ)に下りてきたという北特殊部隊出身の脱北者が、北の軍が5・18に介入したという事実を確認した」と報道した。 放送は続いて「北の特殊部隊出身だという脱北者キム・ミョングク(仮名)氏の証言によれば、部隊員と偵察部隊韓国専門家など50人と共に北の黄海道(ファンヘド)長淵郡(チャンヨングン)を発って5月23日に光州(クァンジュ)に入った。 すでに北の軍から何人も入ってきていて、これらが市民軍と共に戦闘を行ない装甲車も走らせたと証言した」と報道した。
これに先立って13日にも<チャン・ソンミンの時事タンク>で、北の特殊部隊将校出身というイム・チョンヨン氏が出演して「(5・18当時) 600人規模の北の軍1個大隊が浸透した。 全南(チョンナム)道庁を占領したのは市民軍ではなく北から来たゲリラだった」等の主張を展開した。 これに対して司会者チョン・ソンミン氏は「脱北者の直接間接の証言など、市民がアカ・暴徒・スパイと罵倒されたことに対する疑問を解決した決定的証拠と端緒が次々あらわれている。 北の特殊ゲリラがどこまで光州民主化運動に関連しているのか、その実体的真実は必ず明らかにされなければならない」としてパネラーの主張に意味を付与した。
このような総合編成チャンネルの主張は、当時クーデターで権力を握った全斗煥政権が自分たちに抵抗した光州市民を「スパイに扇動された暴徒」と主張したのと同じ論理だ。
これに対してパク・ヨンジン民主党スポークスマンは16日論評を通して「全く信頼できない人々が出てきて全く信頼できない話をする姿を見ながら、大韓民国の放送はこれで良いのか、惨憺たる思いを禁じ得ない」と言って批判した。 彼は「光州民主化運動は大韓民国が大韓民国という国家の名をかけて国家的に記念する歴史的事件だ。 民主党は今回の放送に対して大韓民国のアイデンティティを揺さぶる容認できない体制挑戦行為と規定する」と指摘した。 彼はさらに「昨日放送通信委員会に関連放送(<TV朝鮮>放送)に対する審議要請をした。 <チャンネルA>の放送内容も同じ基準で該当機関が審議し制裁すべき対象だ。 また、放送機能の正常化と国家規律確立の次元で強力に対処する。 可能なすべての法的措置と制度的制裁措置を要請して進める」と明らかにした。
ツイッターでも総合編成チャンネル放送の一方的主張に「根拠がない」として批判する声が高い。
チョ・グク ソウル大教授(@patriamea)は<TV朝鮮>の報道に対して「5・18のあと独裁政権が流布していた5・18をおとしめる発言を30年後に再び聞くことになるとは! 何ら具体的な根拠もなしに5・18を北と結びつける妄想的推測判断を放送を通して送出し、光州民主化運動の精神を傷つけて遺族に深い損傷を与えた<TV朝鮮>は謝罪すべきだ」と16日ツイッターに書いた。
<ニュース打破>のチェ・ギョンヨン記者(@kyung0)も「マスコミによって、社会がいかに無茶苦茶に残忍になり得るかを<TV朝鮮>と<チャンネルA>が見せてくれます。 一人の脱北者を押し立てての北の軍の5・18民主化運動介入の主張。 その当時はまともに報道もできなかった権力の犬たちが、光州を食いちぎっています。 インタビューも意図的報道です」と叱咤した。
ツイッター利用者@jume****は「5.18光州抗争を歪曲する総合編成チャンネル、全斗煥の銃剣に抵抗した市民に北の軍が介入したという根拠を明らかにしろ。 いくらチラシ放送だとは言え...」と皮肉った。 @hoon****は「<TV朝鮮>、<チャンネルA> "5.18は北の特殊部隊が介入した武装暴動" 、 "天安(チョナン)艦人間魚雷" などの妄言製造機、捏造日報に対して再度チャンネル削除運動を加熱しよう!」と嘲弄混じりの反応を見せた。
キム・キュナム記者 3strings@hani.co.kr