本文に移動

‘5・18歴史歪曲’まかり通る…日本の極右と何が違うか

登録:2013-05-17 20:45 修正:2013-05-18 02:40
"北韓の仕業" として歴史評価の終わった常識まで否定
専門家 "イルベなど極右の声が広がるや総合編成も…"
5・18民主化運動33周年記念式を翌日に控えた17日午前、光州(クァンジュ)北区(プック)雲亭洞(ウンジョンドン)の国立5・18民主墓地で追慕祭が開かれた。 キム・ギョンチョル烈士の母堂が嗚咽している。 /ニューシス

 常識が否定され始めた。 極右勢力の相次ぐ歴史に対する足払いが5・18民主化運動に代表される民主化の歴史を否定する段階に入った。 民主化運動の歴史的実体と評価が終わった時点で、歴史わい曲が試みられているという点で、単純な扇動ではなく歴史的挑発だという指摘が出ている。 歴史わい曲試図の背景には極右勢力の濃厚な危機感があるという分析も提起される。

 最近の相次ぐ歴史歪曲の試みに注目すべき点がある。 政界で先に始まった‘独裁称賛’と‘従北追い込み’の延長線という分析に説得力がある。 5・18の背後に北韓がいるという主張は、1979年にクーデターを犯した新軍部らの扇動だった。 1995年全斗煥前大統領内乱罪判決等を通して新軍部自らが虚偽の主張であることを認めた。 クーデターは裁判所の確定判決で綱紀紊乱行為と判定された。 クーデターを美化する歴史わい曲の‘論理的結節点’として北韓と従北追い込みが使われているわけだ。 アン・ビョンウク カトリック大教授は17日<ハンギョレ>との通話で「日本の侵略を‘韓国近代化に寄与した’と歪曲したり‘今日の韓国を作り出した民族的指導者’として朴正熙前大統領を称賛する動きと、最近の5・18歴史歪曲は延長線上にある」として「二度の大統領選挙で李明博、朴槿恵(パク・クネ)大統領が当選したことにより、今度は光州(クァンジュ)での虐殺と蛮行を北韓のせいに追い込むという最後の工作を行ている」と主張した。

 藤井たけし歴史問題研究所研究室長も「(総合編成チャンネルの放送が)特に従北論難などと連結されて北韓だけを問題視していれば問題にならないと見ている」とし「若者の間では北韓は無条件に悪という考えが広まっているためにそうしているようだ」と解釈した。 現実政治の誤った地域感情も歪曲試図を煽っている。 インターネットサイト‘日刊ベスト’(イルベ)は光州民主化運動犠牲者の遺影に‘エイ乾燥中’という表現を遠慮なく使う。

 アン教授はこういう無理な歪曲試図の基層に見える極右勢力の危機意識を指摘した。 彼は「民主化と社会改革という転換期に直面した守旧勢力の危機感が、このような歴史わい曲を呼んできた」と規定した。 アン教授は「大韓民国は政治・社会的の非民主と独裁を克服しようとする時点に来ている。 保守・守旧勢力には危機が迫っているということで、これに対し抵抗するために一連の反動を行っている」と付け加えた。

 今すぐに教科書変更などの歴史わい曲が広範囲に進むだろうという見解は多くない。 しかし‘歪曲の萌芽’は強い深刻性を抱いている。 常識を越えた主張を、韓国言論の正統と主流を自任してきた<朝鮮日報>と<東亜日報>系列の総合編成チャンネルが一切ろ過せずに放送したという事実が指摘されている。 ‘極右インターネット勢力’と‘守旧勢力’の相互作用が始まったという分析が出ている。 日本極右の歴史わい曲も似た経路を踏んできた。 藤井たけし室長は「日本でもインターネットで極右勢力が登場して勢力を拡張するや橋下徹 大阪市長のような政治家らが極右発言をし始めた」として「韓国も同じくやはり日刊ベスト保存所のような極右勢力の声がインターネットで広がるので、総合編成チャンネルもやはり‘このような世論があるから、この程度は報道しても大丈夫だ’という判断をしたようだ」と話した。

 こういう‘挑発’が若い世代に影響を及ぼす恐れがあるという点も問題として指摘される。 歴史学者ユ・ギョンナム氏は 「10代~20代は教科書や言論、インターネットを通じて5・18を知るようになるはずなのに、論争の種にもなれない守旧勢力の歴史わい曲を正しく判断できる別の定規がないということが問題だ。 結局‘左派、または北韓が問題’という両極端的な結論につながる危険が大きい」と指摘した。

パク・ヒョンチョル、コ・ナム、アン・ソンヒ、イム・ジソン記者 fkcool@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/587953.html 韓国語原文入力:2013/05/17 19:41
訳J.S(1922字)

関連記事