"大統領がやると言っているのに秘書陣が何か文句をつけられるか。"
未来創造科学部の所管業務を巡る与野党間の異見で政府組織法処理が難航していた先月4日、朴槿恵(パク・クネ)大統領が「これは私の信念であり国政哲学で、国家の未来がかかった問題だ。 この問題だけは退けない」として、拳をぎゅっと握りながら対国民談話を発表したその日、大統領府関係者が言った話だ。 参謀らの間では、このような対国民談話をすることが良いかを巡って異見があったが、大統領の意向があまりにも頑強だったために何も言えなかったと話した。 大統領談話ならば、それも就任後初めての談話ならば、主題選定はもちろん些細な表現一つまで綿密に調整された結果であって当然だガ、意見を出さなければならない参謀らは大統領の意向を‘実行’しただけだったということだ。
去る18日ユン・ジンスク海洋水産部長官を任命することによって、朴槿恵大統領が就任52日ぶりに初めて内閣と大統領府秘書陣の人選を終えた。 だが、人選結果は概して大統領の‘参謀型’というよりは、指示事項を書き写してそのまま遂行する‘秘書型’に近いという評が多い。 特に大統領府の参謀らは 「大統領の秘書は耳はあるが口がない」として自らの役割を秘書と規定する人々が大部分だ。
秘書型を悪いとばかりは言えないが、朴大統領が民心とかけ離れたり正しくない言動をしても、彼女と最も近くにいるこれらの人々が‘正しい話’の一言も言えないということは国政を惑わす要因になり得る。 ‘人事惨事’についても、朴大統領が‘手帳’を見ながら決めた人であっても人事委員会で徹底して検証した後‘非適格’意見を出していればある程度避けることができただろうというのが与党内部の定説だ。 ユン・ジンスク長官についても「任命すれば重ね重ね大統領に負担が大きくなるだろう」と考える参謀が少なくなかったものの、大統領に進言をした人はいなかった。
セヌリ党ではその理由を「学者や官僚出身の参謀が多く、政務的感覚が乏しいため」と指摘する人々もいる。 世論と呼吸を合わせる‘技術’を持つ政治家たちとは違い、学者や官僚出身らは概して融通性が不足し、上司の命令に服従する事になれているので秘書型にならざるを得ないということだ。 複数の親朴系核心議員らは「死ぬほど苦労をして朴槿恵政権を作ったのに、自分の出世のみに関心がある官僚らが大統領の表情ばかり伺って政権を亡ぼしている」と嘆く。
根本的には、朴大統領が苦言を呈する人をそばに置こうとしないために起きた現象という解説も出ている。 大統領と共に国政の責任を負って行かなければならない参謀ならば大統領に苦言もするはずだが、朴大統領はそのような話は聞きたくないということだ。 核心親朴要人だったが朴大統領にも恐れることなく苦言を呈して距離が生まれたユ・スンミン議員やキム・ムソン前議員、キム・ジョンイン全国民幸福推進委員長などがその根拠として議論されている。
チョ・ヘジョン記者 zesty@hani.co.kr