ソウル市が今年漢江(ハンガン)の汝矣島(ヨイド)と蚕院(チャムウォン)、炭川(タンチョン)合流部、蚕室(チャムシル)出入路周辺に最大7万株を植え“漢江の森”を作ることにした。 盤浦(バンポ)ソレソム一帯には、洪水・侵食を防ぐために漢江の水辺に巡らしたコンクリート護岸を撤去し、砂浜(白砂浜)を復元する。 オ・セフン前ソウル市長が5400億ウォンをかけて推進した大規模開発型「漢江ルネサンス」事業を大きく方向転換して、“自然性回復”を掲げたパク・ウォンスン市長の漢江復元事業を推進するということだ。
ソウル市は20日このような内容の「漢江自然性回復基本構想」を発表し、年末までに「2030漢江自然性回復基本計画」を確定することにした。 ソウル市が構成した民・官委員からなる漢江市民委員会のキム・ジョンウク委員長(ソウル大環境大学院教授)は「これまで過度な開発により漢江の自然性がほとんど消えてしまい、人工河川の維持管理費がかかり過ぎ持続可能ではない。 漢江を保存・回復・利用空間に分け、人間と自然の共存を可能にしなければならない」と話した。
45km余りにわたる漢江の自然水路復元、生物生息地復元、漢江の森造成、歴史・景観復元、水質改善などが主な政策だ。 漢江市民委は河川の自然性を抑制する6大障害物として、低水路形態、水中堰、人工護岸、親水公園、江辺(カンビョン)北路・オリンピック大路、江辺高密度アパート団地を挙げた。
蚕室(チャムシル)・新曲(シンゴク)の水中堰を可動堰(水門型堰)に変える方案を検討すると市は明らかにした。 「水路の連続性と水生態系の連結を断絶させる主因」(漢江市民委)というわけだ。 撤去すべきだという漢江市民委員の意見もあった。 しかし水中堰は国土海洋部が管理する施設なので、固定堰の構造改善方式や存廃を巡って論難が予想される。
“生物生息地-親水湿地-漢江の森” というセットになっている川-水辺の自然性復元事業は段階的に推進される。 安養川(アニャンチョン)・弘済川(ホンジェチョン)・中浪川(チュンナンチョン)・炭川(タンチョン)合流部が生物生息地および親水湿地候補地に選ばれた。 人工護岸を撤去して砂浜を形成し自然に水辺植生帯が造成されるように誘導する構想だ。 パク・チャングン関東(クァンドン)大教授(土木工学)は「支流の水質が改善されてこそ漢江が復元される」と見る。
今年まず着手する事業として汝矣島(ヨイド)の中の島の合流部、漢南(ハンナム)大橋下流、蚕室(チャムシル)出入路周辺、炭川(タンチョン)合流部の4ヶ所に漢江の森を作る。 炭川合流部に4万1000株、汝矣島・蚕院・蚕室側に3万3000株を植える。
漢江ルネサンス事業で造成された 盤浦(パンポ)・汝矣島(ヨイド)・蚕室(チャムシル)公園などの施設物、歩行・自転車道路等は移転または撤去する方案を検討中だ。ハン・ボンホ ソウル市立大教授(造景学)は「漢江ルネサンス事業のうち広場や過度な舗装など自然性に大きな影響を与える要素は整理し、当時推進した生態系復元事業のうちうまくいっている所は維持する。 人工護岸の30%ほどは撤去されるだろう」と話した。
漢江市民委は昨年10月「漢江開発事業による自然性影響の検討」報告書を出して「漢江ルネサンスは官主導の推進過程で“見かけだけの生態復元”と“水辺施設の高級化”という事業方式で一貫してきた。 結果的に漢江の自然性は一層悪化した」と分析している。
盤浦(パンポ)ソレソム(盤浦大橋と銅雀(トンジャク)大橋南端の間)側も今年、生態・景観拠点として復元される。 砂浜、水辺の草木類造成と共に自転車道路などは迂回させる。
今年のモデル事業の後、蘭芝(ナンジ)圏域、汝矣島(ヨイド)圏域、岩寺(アムサ)圏域など7ヶ所の候補地から追加選定して歴史的価値まで加えた生態・景観拠点として復元する計画だ。
予算と関連してイ・サヒョン漢江事業本部企画予算課長は「土木工事を再度行なうのではない。 既存の人工護岸を撤去する費用と木の植栽費程度が必要になるものと予想している」と話した。
イム・インテク記者 imit@hani.co.kr