国家情報院の職員キム某氏(29)のオンライン活動に対する警察の捜査と<ハンギョレ>取材を通じて、3次長の傘下にある心理情報局の国内政治介入疑惑が新たに注目されている。対北心理戦を担当する情報部門所属の職員が、国内政治に関連したオンライン活動を繰り広げていたという事実が続々明かされているからである。国家情報院は2011年から4大河川事業などの国政広報と共に、 "左翼との思想戦"を掲げ心理情報局(局長ミン某氏)の傘下に保安1・2・3チームを設置し"インターネットコメント業事"を展開してきたのではないかという疑惑を受けていた。
前回の大統領選挙当時、ムン·ジェイン民主統合党の候補キャンプで候補のスポークスマンであるジン・ソンジュン氏は 「国家情報院の政治介入疑惑、その実体は」という題のブリーフィング途中、"情報によると、国家情報院は昨年11月から国家情報院3次長傘下の心理戦担当部署を心理情報局に格上げし、その中に安保1・2・3チームと名付けた3つのチームを新設した"と発言した。ジン氏は"心理情報局内に70人余りの人員が配置され、各要員に個人用ノートパソコンを支給した。そして主要政治社会懸案について毎日掲載すべきコメントの内容を通達していた"と、国情院の政治介入疑惑を提起した。
国家情報院は庁舎内で複数の要員が同時にコメントする事や、野党と野党の主要人物について述べたコメントを残した場合、IP(インターネットアドレス)の追跡によって発覚する恐れがあるとし、国家情報院庁舎外で行動したというのが当時民主党の主張だった。国家情報院職員であるキム某氏のコメント活動も庁舎外で行われた。
大統領選挙の直前に<ハンギョレ>の取材に応じた国家情報院の元高官も"李明博氏が大統領になってからの韓国政府は4大河川を含む功績広報に集中した。国家情報院も最初はそのような功績を広報するために組織を作りあげていたらしい。しかし功績広報から政治的(広報活動)に活動の場を広げることになり、野党人士に対する批判または李明博政権の政策に対する批判記事に反論コメントを残す側へと拡張されていった"と答えた事がある。
他に民主党へ流れてきた情報によると、国家情報院はこれら要員に特定サイトでの活動方法やコメントの内容などを個別的に指示するなど、内容の管理にもかなり気を遣っていたという。国家情報院による組織的なコメント投稿という疑いを避けるため、若い要員を動員しコメント内容もなるべく若い世代が使う様なインターネット用語を使うようにしたという情報もあった。心理情報局要員はノートパソコンでこのようなオンライン活動をしたらしい。また、無線インターネットが設備されているコーヒーショップなどで10ヶ以上のIDを使って活動するよう指示されたという。警察の調査を受けている国家情報院要員キム某氏も"今日のユーモア"や"ボべドリーム"など、若年層の参加が活発なサイトで16ヶ程のIDを活用して書き込みや賛否を表すなどの活動をしていた。このうち5つは他の人も一緒に使ったという事実が明らかにされている現状は、このような情報提供をますます事実として認めざるを得ない状態にしていると言っても良いだろう。
ハ・オヨン記者 haha@hani.co.kr