ソウル蚕室(チャムシル)のロッテワールドが内部リニューアル(新装)工事を理由に入居して1年にもならない賃貸売り場の商人たちに店舗を空けてほしいと要求し、経済民主化に逆行する大企業の横暴だという指摘を受けている。
ホテルロッテ(代表イ・ドンウ)が昨年12月末、蚕室ロッテワールド地下3階プレミアムモールの賃貸売り場商人18人を相手にソウル東部地裁に店舗を空けろとの建物明け渡し請求訴訟を提起した事実が6日確認された。 ロッテは最近賃貸売り場商人に送達された訴状で「2012年2月、月間売り上げの13~15%を手数料として受け取る条件で賃貸期間1年の(店舗)賃貸借契約を結び、ロッテワールドのリニューアル工事により中間でも契約を解約できるという覚書を受け取ったが、賃貸売り場の売り上げ不振のためにやむをえずリニューアル工事を早期実施することになった」と明らかにした。 ロッテはこれに先立ち昨年9月からリニューアル工事を始め、11月には2度にわたり商人に契約解約を通知した。 ロッテワールド プレミアムモールの賃貸売り場は中国人など外国人観光客を相手に化粧品とアクセサリーを売る店舗らで、年間売り上げが2億~3億ウォン水準の中小規模だ。
商人らは、ホテルロッテが賃貸借契約は形式上1年ずつ結ぶが営業は2015年まで保障するという約束に反していると主張している。 商人の法務代理を引き受けているオ・ヨンジュン弁護士(法務法人 世光)は 「ロッテがリニューアル工事を始めればいつでも契約が解約され、商人はいかなる異議申し立てもできないようになっている覚書は典型的な‘奴隷契約書’だ。 経済民主化に逆行するこのような不公正契約は法によって効力が否認されうる」と話した。
商人代表であるパク・サンスン氏は「既存施設撤去とインテリア工事、海外観光客誘致マーケティング(ロッテワールド フリーチケット割引),内部什器施設購入などに10億ウォン程を先行投資してあり、昨年9月にはロッテのリニューアル工事によって売り場に繋がる主出入口が閉鎖され事実上営業が中断された。 総損失が30億ウォンに達する」と話した。 彼は 「ロッテが観光客誘致のためにロッテワールド フリーチケット割引を約束したが履行しなかったし、観光客を集める旅行会社に売り場がまもなく門を閉めるという噂を立て損害を負わせた」と付け加えた。 商人はまもなく損害賠償訴訟を提起する計画だ。
ホテルロッテはこれに対して 「2015年までの営業保障約束は初耳で、フリーチケット割引も検討水準だった」と反論した。 だが、ロッテは10億ウォンの初期投資額を負担した中小商人に対し、入居してわずか1年にもならずに出て行けと要求するのは横暴ではないかという質問にはまともに答えられなかった。 ロッテワールドのキム・某商品チーム長は「商人が1年で初期投資額を回収できると主張してそれは無理だと考えたが、あまりにも自信を見せるので信じざるをえなかった」と商人に責任を転嫁した。 だが、商人たちは 「1年で初期投資額を全て回収するというのが話になるか」としてロッテの主張に反論した。 ロッテは今後プレミアムモールの活用について「まだ具体的な計画がない」と明らかにし、商人を無条件に追い出そうとしているという指摘も受けている。
ロッテは2年前の2011年にも近隣の蚕室ワールドショッピングモールで200ヶ余りの賃貸店舗を直営店舗に切り替えるという理由で商人を相手に店舗明け渡し訴訟を強行し大きな摩擦を醸し出した経緯がある。 ロッテのシン・ドンビン会長は昨年、路地商圏侵害関連国政監査と聴聞会に参加しなかった容疑で去る4日裁判所によって正式裁判に回された。 また、シン会長の姪であるチャン・ユンソン(シン・ヨンジャ ロッテショッピング社長の娘)氏が運営するパン屋ポーションは大企業の路地商圏侵害と仕事集中割当だという非難を受けて売却された。
クァク・ジョンス先任記者 jskwak@hani.co.kr