選挙日を3日後に控えて出てきた李正姫(イ・ジョンヒ)統合進歩党大統領候補の電撃的な辞退は終盤の混戦状況に少なからぬ影響を及ぼすものと見られる。
大統領選挙出馬宣言以後、特別な視線を引き付けられなかった李正姫候補は二度のテレビ討論に力づけられて公表禁止の(12日)直前の世論調査では支持率を2%近く引き上げた。 去る12日<ハンギョレ>世論調査で李候補の支持率は1.7%であった。
保守と進歩改革勢力の有権者の心が朴槿恵(パク・クネ)セヌリ党候補と文在寅(ムン・ジェイン)民主党候補に集まり薄氷の支持率差を示している今回の選挙で1.7%~2%の支持率は投票結果全体をひっくり返しうる数値だ。 今回の大統領選挙の有権者数は4046万4641人だ。 投票率を70%と仮定する場合、2800万票になり朴槿恵候補と文在寅候補は1400万票以上を得るためにすべての力を注ぎ込んでいる。 李正姫候補が16日辞退理由を政権交替だと明らかにしたことにより、李候補を積極的に支持してきた有権者の票は文候補側にほとんどが移動するものと見られる。 支持率を得票率にそのまま換算する訳には行かないが、1%ならば概略28万票、2%ならば56万票だ。
李候補側は辞退に先立ち混戦状況から抜け出し形勢が明らかになることを願ったという。 文候補が早目に先んじたり、朴候補が圧倒的に優勢な場合には、あえて李候補が辞退しなくても野党圏の票が分散し政権交替が流れたというような非難に気を遣わなくても良くなるためだ。 前者は2002年大統領選挙の盧武鉉-クォン・ヨンギル候補の事例であり、後者は2007年チョン・ドンヨン-クォン・ヨンギル候補の事例に該当する。 ところが投票日が迫るほどに状況を占うことが難しくなり、李候補と統合進歩党だけを支持してきたいくらにもならない票だけでも文候補側に加えないわけにはいかないと判断したものと見られる。 李候補キャンプのある中心人物は「事実わが方の支持者は世論調査応答率が非常に低い。 去る4・11総選挙の後日の禍のためだ。 現在の世論調査の数値よりは票を多く持っていると見る」と話した。 実際、統合進歩党の党員の中には、野党圏候補単一化世論調査の時に年齢などを偽って答えて数百万ウォンの罰金を受けた人も少なくない。
李候補が辞退しなくても李候補支持者は文候補に投票する可能性が高く、大統領選挙に特別な変数にはならないという観測もある。 また、2010年京畿道(キョンギド)知事選挙当時、投票日の3日前に事実上ユ・シミン候補支持を宣言し辞退したシム・サンジョン候補の事例を見れば、李候補の積極的支持層が投票をあきらめたり、あるいは辞退した李候補の名前を記入して結果的に無効票が量産されることもありうる。 投票場には‘李正姫候補が辞退した’という案内文が貼りだされるが、投票用紙はすでに印刷が終わっており、李正姫候補の名前がそのまま出てくる。 2010年京畿道知事選挙当時、無効票は全体投票数の4%に達する18万3千票余りであった。 それ以前の京畿道知事選挙で無効票の比率が1.0~2.2%だっただけに、所信を持って辞退したシム候補に投票した人々が少なくとも2%以上だった計算だ。
キム・ボヒョプ記者 bhkim@hani.co.kr