昨年7月ベトナムから韓国に来た移住労働者ウエン(22)氏は、働きたくても働けない。 ‘外国人勤労者雇用などに関する法律’は3ヶ月間仕事をしなかった移住労働者を強制追放すると定めている。 自身の意思と関係なく、ウンエン氏は強制追放の危機に陥った。 去る8月に変わった雇用労働部の内部指針のためだ。(<ハンギョレ> 7月18日付12面)
ウンエン氏は先月3日、他の職員らと仲が悪くなり職場を辞めた。 その後二ヶ月近くが過ぎたが新しい職場は見つからなかった。 仕事を探そうとしても適当な方法がない。 じっと家で電話を待っている。
かつては移住労働者が事業場変更申請をすれば労働部傘下の雇用センターが求人企業目録を提供していた。 移住労働者はこの目録を見て職場に直接連絡して仕事場を見つけた。 去る8月、雇用労働部の内部指針が変わった。 「移住労働者の事業場移動が多く、就職過程にブローカーが介入するという弊害がある」という理由で、求人企業目録を移住労働者に提供することを中断した。 代わりに移住労働者名簿を求人企業側だけに提供して雇用センターが業者と労働者を仲介している。 移住労働者が職場を調べてみる道は遮断して、使用者が移住労働者を選別する機会だけを開けておいたわけだ。
これに伴い、移住労働者の選択権は大幅に減り、被害も頻発している。 雇用センターはウンエンに慶北(キョンブク)倭館(ウェグァン)にある会社を紹介した。 しかしタクシー費8万ウォンをかけて訪ねて行った会社は預かり知らないと答えた。 雇用センターが紹介した他の会社の採用担当者も「採用予定はない」と言った。
7ヶ月前にバングラデシュから来たアリ(25)氏も事情は同じだ。 イスラム信者であるアリは宗教問題で韓国人職員らと葛藤を起こし2ヶ月前に事業場変更申請をした。 繊維工場で仕事をしていたアリに雇用センターが紹介したところは家具工場など全く違う業種のみだった。 二ヵ月にわたり仕事場を見つけられなかったアリは不法滞留者身分で韓国にずっと留まるか、手ぶらで故郷に帰るかを選択しなければならない。
28日午後ソウル中区貞洞(チョンドン)の民主労総会議室で開かれた‘事業場変更権剥奪被害事例証言大会’に参加した移住労働者たちは 「労働部の内部指針は不法滞留者を量産する制度」と口をそろえた。 去る7月から施行された労働部指針廃止要求のための署名運動には3000人を越える移住労働者が参加した。 身分の露出を敬遠する移住労働者が署名運動に参加したことは異例的だ。
チョン・ヨンソプ社会進歩連帯労働委員長は「今回の指針がブローカーから移住労働者を保護するための措置だと労働部は説明しているが、実際には移住労働者の事業場変更を阻み、強制労働を日常化させるだけだ」と話した。 キム・キドン韓国移住人権センター事務局長も「労働部指針は四の五の言わずに黙って就職しろという脅迫」とし「労働者が実際に感じる圧迫感が尋常ではない」と話した。
‘移住労働者に奴隷労働を強要する雇用労働部指針撤回のための非常対策委員会’は来月11日ソウル中区(チュング)の大漢門前で労働部指針廃棄のための移住労働者決意大会を開く計画だ。
ホ・スン、チョン・ファンボン起者 raison@hani.co.kr