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古里1号機‘炉心損傷頻度’基準越えても寿命延長

登録:2012-10-15 22:46 修正:2012-10-16 10:12
1999年~2002年に測定した結果、IAEA基準値より高かったが寿命延長報告書に含めず

30年の寿命が終わった後、2008年1月からさらに10年延長して稼動中の釜山機張郡の古里原子力発電所1号機で、原子炉炉心の損傷頻度が国際原子力機構(IAEA)基準値を超過していた事実が遅れて明らかになった。 原子炉炉心は放射性物質を大量発生させる核心施設だ。 しかし原子力発電所の運転機関である韓国水力原子力(株)(韓水原)は寿命延長を検討する報告書にこのような事実を盛り込まなかった。

 15日チョ・ギョンテ民主統合党国会議員が韓水原と韓国原子力安全技術院から受け取った国政監査資料を見れば、韓水原が科学技術部(現、教育科学技術部)指針に従い1999年11月~2002年11月に古里1号機の炉心損傷頻度測定(確率論的安全性評価)をしたところ、国際原子力機構基準値(1万分の1)より高い1万分の1.19と出てきた。 1年間原子力発電所を稼動する時に炉心損傷を誘発する事故が0.000119回発生する可能性があるという話だ。

 しかし韓水原は2006年6月に古里1号機の寿命延長検討のために科学技術部に出した‘古里1号機継続運転評価報告書’にはこの事実を反映させなかった。 韓水原関係者は「検査結果に対する信頼度が低く、確率論的安全性評価を入れなければならないという義務規定がなかった」と話した。 これに対しチョ・ギョンテ議員は「放射性物質を大量発生させる炉心の損傷頻度が国際機構の基準値を超過したにも関わらず、原子力発電所の稼動を直ちに中断させる規定がないのは大きな問題」と指摘した。

 以後、韓水原は2005年7月~2007年5月に2回目の炉心損傷頻度を測定したが、この時は国際原子力機構基準値の下である1万分の0.162に下がった。 原子力安全技術院は2007年12月に作成した‘古里1号機継続運転安全性審査結果報告書’には「1次測定(1999年11月~2002年11月)に比べて危険度が86%減少した」と書いた。 韓水原は一回目の測定以後、冷却材など原子炉施設を交換したり補強して炉心損傷頻度が国際原子力機構基準値よりはるかに改善されたと科学技術部に報告し、原子力安全技術院はこれを認めた。

 ヤンイ・ウォンヨン環境運動連合脱核エネルギー局長は「韓水原が1999~2002年の測定結果を信じないならば、2005~2007年の検査結果はいかなる根拠で信じられると言うのか」として「どんな方法で測定したかを公開し、炉心が実際にどれくらい損傷したかを検証しなければならない」と指摘した。 ソ・ギュルリョル ソウル大教授(原子核工学)は「炉心損傷頻度は施設交換でなく係数調整を通じてもいくらでも調整できる」として「施設が交換されたといって炉心損傷の根本的な問題が解決されたと確信することはできない」と話した。

 韓水原関係者は「2007年に原子力安全技術院に資料を出す時は科学技術部傘下の原子力安全委員会が確率論的安全性評価を入れるよう勧告した」として「1999~2002年資料をわざと脱落させたわけではない」と釈明した。

 国内で初めての原子力発電所である古里1号機は今まで事故・故障が129件(全体の原子力発電所事故・故障659件の19.5%)発生し、去る2月には非常発電機までが停止し12分間にわたって電力供給が途切れ冷却水温度が急上昇するなどの故障が多く‘古里1号機閉鎖’要求が絶えることなく続いている。

釜山/キム・グァンス記者 kskim@hani.co.kr

原文入力:2012/10/15 20:08(1633字)

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/555917.html 原文: 訳J.S

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