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亀尾(クミ) 特別災難地域宣言… "フッ酸被害住民 健康対策至急"

保健団体 "神経毒ガスの原料…定期的検診を受ける必要"
‘初期調査 いいかげん’環境科学院、一歩遅れて精密測定 着手
住民 "年内に補償を" 市民団体 "業者入居過程に疑惑"

原文入力:2012/10/08 21:34(1664字)

↑8日午前、慶北(キョンブク)亀尾(クミ)、山東面(サンドンミョン)の亀尾コンベンションセンターに用意されたフッ酸ガス漏出臨時診療所で住民たちが診療を受けるために長く列をつくっている。 亀尾/キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr

 政府が8日、慶北(キョンブク)亀尾(クミ)市のフッ酸(弗化水素酸)ガス漏出事故現場を特別災難地域に指定した。 先月27日、亀尾国家産業団地4工団内のヒューブグローバル工場内で事故がおきて11日後のことだった。

 特別災難地域は自然災害ではない事故に対して地方自治体の能力での収拾が困難と判断される場合、中央安全対策委員会の審議を経て大統領が宣言する。 特別災難地域には農作物、畜産、山林、住民健康など分野別に支援基準を樹立し被害に対する行政・財政的支援を行うことになる。 復旧費用の中で地方費負担額の50~80%までを国庫が追加支援できる。 今までに1995年の三豊デパート崩壊、2000年東海岸山火事、2003年大邱(テグ)地下鉄火災惨事、2005年江原道(カンウォンド)、襄陽郡(ヤンヤングン)山火事、2007年泰安(テアン)油流出事故の際に特別災難地域が宣言された。

 現地住民たちは「遅くなったが今からでも収拾対策をきちんと立てなければならない」という反応を示した。 パク・ミョンソク(49・鳳山里(ポンサンリ)里長)住民対策委員長は 「住民たちが農薬、肥料、農業資材などをツケで購入しているので遅くとも今年末までに補償がなされなければならない」として「補償が年末を越せば金を借りてツケを返さなければならない状態に置かれる」と話した。 事故現場から1km離れた山東面、林川里(イムチョンニ)のパク・スホ(50)里長も「鳳山里の隣村である林川里地域も必ず特別災難地域に含まれなければならない」と話した。

 被害住民たちの健康問題も解決しなければならない課題だ。 事故初期に杜撰な調査結果を生半可に発表して反発を買った国立環境科学院はこの日精密測定器具により事故現場10ヶ所で大気汚染実態を点検した。 大邱(テグ)慶北(キョンブク)人道主義実践医師協議会などの保健団体は「フッ酸は化学兵器の神経毒ガスの原料として使われる程に致命的な健康障害を起こす恐れがある」として「体系的で定期的な健康診断計画を用意せよ」と促した。

 亀尾警察署は(株)ヒューブグローバルの設立過程に違法行為があったかを捜査している。 ヒューブグローバルは2008年に当時稼動中の半導体業者から土地4000㎡を買いとり工場を建てた。 亀尾経実連は 「亀尾産業団地4工団は先端業種だけが入居することになっているのに、化学物質製造業者がどうして入居できたのか分からない」として疑惑を提起した。

 政府と地方自治体の責任論も大きくなっている。 市民環境研究所は「有害化学物質を扱う事業場を形式的に管理して住民を危険に陥れた環境部長官と国立環境科学院長を問責せよ」と要求した。 一部住民たちと亀尾洛東江(ナクトンガン)共同体などの市民環境団体は政府や事故企業などを相手に被害補償訴訟を準備中だ。

 メン・ヒョンギュ行政安全部長官はこの日、国会行政安全委の行安部国政監査で「初期対応で右往左往してきちんとできなかったことは遺憾」とし「再びこのような事故が発生しないよう関連マニュアルを整備して対応策を作る」と話した。

亀尾/ク・デソン、キム・イルウ記者 sunnyk@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/554860.html 訳J.S