原文入力:2012/08/14 08:34(1871字)
←李明博大統領が13日、国会議長団招請昼食会に参加するために大統領府常春齋に向かっている。 大統領府カメラマン団
後続対策もなしに独島(ドクト)訪問…日本、首脳会談など中断 検討
古い理念に執着 対北韓強硬策は北韓・中国との関係悪化を招き
大統領選挙で誰が勝利しようが崩れた信頼関係を再建の宿題を生む
李明博大統領の東北アジア外交が総体的失敗に直面したという指摘が出ている。 去る10日李大統領の電撃的な独島訪問で北韓・中国に続き日本との関係まで急速に悪化し、東北アジア主要国と全て困った関係になったわけだ。 李大統領の理念的偏向と突出的で即興的な外交行動、戦略的マインドの不在が産んだ惨劇という解釈が提起されている。
日本は今月末に予定された韓-日財務長官会議を一方的に延期したのに続き、来月のアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議の際に推進することにしていた韓-日首脳会談と首脳シャトル外交の中断を検討していると伝えられた。 2008年就任当初から揺らいだ南北関係はすでに対話が断絶して久しい。 政府は最近北韓に非公開で離散家族対面を提案したが、北韓の5・24措置撤回と金剛山(クムガンサン)観光再開要求に適当な解決策を見出せずにいる。 中国との関係も対北韓政策を巡る両国間葛藤が2010年の天安(チョナン)艦事件を契機に表面化しふらついてきた。 最近では不法漁業問題、脱北者強制送還、キム・ヨンファン氏拷問波紋などで不協和音がますます大きくなっている状態だ。
何よりも李大統領の任期が6ヶ月しか残っていない状況で、韓-日関係が突然に悪化の一路を辿ることは想定外という指摘が多い。 李大統領が2008年4月福田康夫当時日本総理と会って首脳間シャトル外交復元を宣言するなど着実に日本との関係改善意志を明らかにしてきたためだ。 去る6月には国内の荒々しい反対世論を避けて韓-日軍事情報協定をこっそりと処理しようと試みさえした。
現政権の外交がこのように‘右往左往’するのは、戦略的目標が明確でないうえに外交事案を政治的利害関係により即興的に扱うためだとの分析が多い。 今回の独島訪問は過去の政権の場合と比較しても異例的だ。 過去の韓-日関係悪化は概して日本の挑発で始まった側面が大きかった。 金大中大統領の時期である2000年には日本外交青書の‘独島固有領土説’明記、翌年には歪曲歴史教科書の検定通過などを経て国民の対日世論が悪化した。
盧武鉉大統領時期の2005年には、日本、島根県が‘独島領有権主張’条例を公布したことにより両国関係が急冷した。 これに対し李大統領の独島訪問は日本の挑発が明確でない状況で先制的に行われた。 その一方で、これといった後続対策がない。 前職外交安保分野の政府高位要人は「李大統領の外交の特徴は戦略的に大きな絵もなしに、状況主義、その時その時の対症療法式臨機応変で対処するということ」とし「ジグザグ ジェットコースターに乗った外交を見るようだ」と話した。
李大統領が外交に古い理念的定規で接近しようとする態度も問題点として指摘されている。 彼は就任当初から‘韓-米同盟復元’と‘北韓崩壊論’に執着した。 しかしそれは北韓との関係はもちろん、中国との関係を悪化させる要因になった。 問題は北韓・中国との関係悪化が2010年延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件などに見るように、安保不安を煽り、そのことが韓国の対米安保依存度を高め再び中国を刺激するという悪循環につながったという点だ。 東北アジアに冷戦的対決構図が再現され、北韓や中国と簡単には回復しがたい関係になったわけだ。 パク・ミョンニム延世(ヨンセ)大教授は 「李大統領が国家利益や国民の安全、生命、平和の観点ではなく、反共や反北韓理念、道徳的枠組みで外交問題に接近している」と語った。
李大統領の任期末での東北アジア外交破綻は次の政権にも少なからぬ外交的負担を残すものと見られる。 誰が12月の大統領選挙で勝利しようが、来年スタートする政権は南北関係はもちろん韓-中、韓-日関係で信頼関係を一から再構築することが外交的宿題になる展望だ。
パク・ビョンス先任記者 suh@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/546931.html 訳J.S