原文入力:2012/07/13 22:13(1998字)
←中国漁業指導船3隻と日本の海岸警備艇が対峙し舌戦を行った翌日の12日(現地時間)尖閣諸島(中国名 釣魚島)近隣海域に中国巡視船と日本海岸警備艇がいる。 尖閣/新華ニューシス
[土曜版] 来週の質問
米-東南アジア、外交・安保同盟の動向
万一、包囲網を突破し反撃が始まれば…
中国はこの頃周辺で広がる事態に当惑しているだろう。
第一に、ヒラリー・クリントン米国国務長官の中国周辺国外交歴訪だ。 先週フランス、パリに立ち寄ったクリントンは、アジアに飛んできて日本(7日)-アフガニスタン(8日)-モンゴル(9日)-ベトナム(10日)-ラオス(11日)-カンボジア(12日)と駆け足訪問した。 中国の東西南北の要衝にある国々だ。 異例的で露骨な中国包囲外交歴訪だ。 クリントンは昨年末、米国務長官としては50年ぶりにミャンマー(ビルマ)を訪問したのに続き、今回57年ぶりにラオスを訪ねた。 両国共にこの間米国とは最悪の関係であり、中国とはとても親しかった。
第二に、南・東中国海での領有権紛争の激化だ。 日本および関連東南アジア国家がみな固く団結して中国に対抗する様相を明確に示した。 ここには米国の介入と支援がある。
今年に入って中国とフィリピンが領有権紛争を行うスカボロ島(中国名 黄岩島)で両国の巡視船が対峙し、この地域の領有権紛争が激しくなってきた。 先週、米国がここに油を注いだ。 米国務部が中国と日本が争う尖閣諸島(中国名 釣魚島)が米-日安保条約の適用範囲にあると明らかにした。 日本が実効支配しているこの島が攻撃を受けるならば米国が介入しうるという話だ。
南・東中国海領有権紛争への言及を控えてきた米国は、昨年からこの海域での通行権保障と平和的紛争解決などを主張し介入し始めた。 今回は安保同盟の発動を語り、武力介入まで示唆したのだ。 米国はまた、先週開かれた東南アジア国家連合(アセアン)会議でこの紛争解決と関連した‘南中国海の行動規約’(COC)採択を事実上主導した。 この紛争で東南アジア国家を反中単一戦線としてまとめて、中国をこの規約で拘束しようとする意図だ。
第三に、韓国と日本の軍事情報保護協定密室推進だ。 米国の注文でこの協定が韓国で無理に密室推進されたことが明らかになった。 これらの国が米国との一対一同盟関係から3者同盟関係に変わる動きだ。 1980年代前から言われてきた韓-米-日三角軍事同盟だ。
中国は改革開放以後、天安門事態に次ぐ最大の内憂外患の危機だ。国内では指導部交替時期に経済成長動力が低下し、国外では最大の孤立を味わっている。 中国春秋戦国時代の‘遠交近攻’策略が中国自身を包囲・圧迫する外交術として米国などに援用されている。 中国が言うところの‘核心利益’、すなわち主権と領土、安保が脅威を受けている。
韓国戦参戦、1950年代の台湾 金門島爆撃、1962年中-印戦争、1970年前後 ウスリー川での中-ソ衝突、1979年中-越戦争は中国が‘核心利益’への脅威に対抗した対応だ。 ほとんどが優越な相手に対する先制攻撃であり、その後に政治的局面という特徴がある。 特に中-越戦争は当時ベトナムからカムラン湾海軍基地を租借するなど、対中国包囲を固く締めつけていたソ連を狙ったものだった。
中国は建国以後、優れた相手に対抗して‘先制攻撃’という抑制力を駆使してきたとヘンリー キッシンジャー前米国務長官は指摘する。 米・ソなど優れた相手に虚を突く電撃的攻撃を加え 「心理的な対等感を回復すれば、中国人の目に抑制はきちんと現れた」ということだ。
←チョン・ウイギル国際部先任記者
中国は最近尖閣諸島問題に集中的に声を高めている。 ‘力が強い日本とその同盟国米国’をねらっている。 中国漁業指導船がその海域で日本海上保安庁巡視船と対峙中で、中国海軍はこの列島への上陸を仮想した実弾海上訓練を行った。 尖閣諸島周辺で中国がかつてのような武力紛争を行うならば、日本のシーレーン(海路)が脅威を受ける。
尖閣諸島は日清戦争の結果、日本が実効支配することになった。 日清戦争は韓半島を巡り中-日が行った戦争だ。 100年が過ぎた今、韓国は日本と軍事協力を強化しようとしている。 中国は自身に対する包囲網突破地点をどこに求めるだろうか? 中国が本格的にその包囲網突破に出る時、韓半島の安保はどうなるのかを問わなければならない時だ。
チョン・ウイギル先任記者 Egil@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/542479.html 訳J.S