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"22人の命を奪った双龍(サンヨン)車解雇" の道を開いたコ・ヨンハン最高裁判事候補者

原文入力:2012/07/11 10:05(1605字)

←コ・ヨンハン(57・法院行政処次長)最高裁判事候補者が10日午前、国会で開かれた人事聴聞会でかたい表情で質問を聴いている。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

コ・ヨンハン最高裁判事候補者人事聴聞
"泰安(テアン)油流出に三星(サムスン)の責任56億のみ
大企業庇護判決ではないのか" 集中追及
"双龍(サンヨン)車解雇の道を開いた" 指摘も

 10日に開かれた国会人事聴聞会で野党議員はコ・ヨンハン(57・法院行政処次長)最高裁判事候補者の‘大企業庇護’判決を集中追及した。 2007年に発生した泰安油流出事故と双龍自動車整理解雇関連判決が俎上に上がった。

 コ候補者は去る2009年3月、ソウル中央地裁破産1部の部長判事時期に忠南(チュンナム)泰安(テアン)近海油流出事故1審裁判で事故を起こした三星重工業の賠償責任を56億ウォンに制限する‘責任制限決定’を下した。 当時、泰安住民たちの被害申告額は2兆6000億ウォンだった。 パク・ヨンソン民主統合党議員は「三星が56億ウォンだけ支払うようにし、天文学的な補償金を国民の税金で支払うことになった」と指摘した。

 当時の決定の主要論理であった商法の‘船舶所有者責任制限’に対しても論難がおきた。これは船舶所有者が船長と船員を指揮・監督することが困難で、海上企業の危険性と損害額の大きさを勘案して船舶所有者の責任を制限しなければならないという論理だ。 だが、船舶所有者が‘無謀行為’等をした時には責任を負うように規定されている。 イ・オンジュ民主統合党議員は「泰安油流出事故は三星重工業所有の船が停止していたタンカーに突っ込んだ事件」とし「英国大法院はタンカーに釣り船がぶつかった事件に対して(釣り船所有者の)責任を認める判決を下した」と指摘した。 裁判手続きにも問題があったという主張が提起された。 イ・オンジュ議員は「タンカーのHebei Spirit号を裁く時には1年かかったが、停止したタンカーに突っ込んだ三星重工業所有の船に対しては尋問の一度も経ずに3ヶ月で判決した」と明らかにした。

 このような批判に対してコ候補者は「被害者が少なくとも弁償をはやく受けられるようにするために、はやい手続きで裁判を進めた」としつつも「現在の法律で賠償責任限度を過度に低く定めていることに対しては改善が必要だ」と話した。

 統合進歩党キム・ソンドン議員は、コ候補者に対して双龍自動車整理解雇問題を集中的に問い質した。 キム議員は「候補者がソウル中央地裁破産1部部長判事の時、企業回生を助けたことを裁判官として最も遣り甲斐のある仕事だったと挙げたが、候補者の決定により大規模整理解雇を含む双龍車回生方案が確定し、解雇者3000人余りが発生した」と話した。キム議員が「双龍車解雇者と家族22人が亡くなったがこの方々を弔問する意向があるか」と尋ねると、コ候補者は「考えてみる」と答えた。

 民主統合党パク・ポムゲ議員は「双龍車は(整理解雇を含む)回生計画が避けられなかったのかが核心争点」とし「当時、アンジン会計法人は資産を8100億ウォン、負債比率を563%と申告したが、後から韓国鑑定評価院は資産1兆7200億ウォン、負債比率130%と把握した事実を知っていたか」と尋ねた。 これに対しコ候補者は「(資産評価関連会計歪曲を主張する)勤労者たちの声にもう少し配慮し傾聴できなかった気がする」と話した。 ユン・ヒョンジュン記者 hjyoon@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/541889.html 訳J.S