原文入力:2012/07/05 22:22(1719字)
‘韓-日協定’調査終わってもいないのに
権力漏水憂慮‘足早な歩み’
キム・ソンファン外交 引責論 一線画し
‘外交恥さらし’次官級で蓋をするには…
李明博大統領が5日、人事の刃を振るった。 キム・テヒョ(45・次官級・写真)大統領府対外戦略企画官の辞意表明を受け入れる形式で更迭した。 普段とは違い非常に迅速な歩みだ。
この日午後パク・ジョンハ大統領府報道官がキム企画官の電撃的な辞意表明とその受け入れ方針を言論に知らせた。 韓-日軍事秘密情報保護協定(韓-日軍事情報協定)締結過程に対する大統領府の内偵が進行していて、前日「2~3日後に結果が出るだろう」と明らかにしたが、直ちに行動に出たわけだ。
李大統領がキム企画官の更迭にまで至ったことは世論悪化が作用したと見られる。 外交通商部側が「大統領府がやれと言うのでやった」として責任を転嫁するなど大統領府と外交部が泥沼戦を行う姿が演出されながら世論が極度に悪化した。 チェ・グムナク大統領府広報首席は「明日あたりに経緯調査の結果を明らかにして問責人事をしようとしていた」として「キム企画官が国政運営に負担を与えることはできないという意で先に辞意を表明した」と話した。 李大統領が自身の手足を切ることで、これ以上の任期末権力漏水を防ごうとしたのだ。
しかし大統領府はキム・ソンファン外交部長官は更迭しないもようだ。 今回の事態の二本の軸が大統領府と外交部であるのに、外交部側には責任を問いにくいということだ。 大統領府高位関係者は「キム長官は当時、李大統領の南米歴訪に同行しながら直接的に協定処理過程にいなかった」として「長官を引責することはなさそうだ」と話した。
外交部もキム長官が問責を受けないと見ている。 外交部は前日までも問責の火の粉が飛び散るかと戦々恐々としていたが、この日キム企画官の辞退以後に雰囲気が急変した。 ある当局者は「昨日までキム長官が来週カンボジア、プノンペンで開かれるアジア地域安保フォーラム(ARF)に参加できるだろうかという観測が多かったが、今は参加する側で推進している」と話した。
キム企画官が辞退しても政府の対北韓政策や対外政策などには大きな変化がないという展望が多い。 既に任期も8ヶ月程度しか残っていない情況で新しい政策を推進するには力不足であることに加え、今後大統領府対外戦略を総括するチョン・ヨンウ外交安保首席も対北韓強硬派に分類されている。 大統領府対外戦略企画官の職責は消える可能性が強いと知らされた。 この職責はキム企画官のために作った人為設官性格が強かった。
キム企画官の辞退で今回の事態が終えられるかは疑問だ。 キム企画官がいくら現政権の実力者とは言っても、国家間の協定締結を数時間前に覆すという‘外交的惨事’に対して次官級要人ひとりを更迭することで終えるには国民的批判があまりに激しい。 実際、野党はキム企画官の更迭を "尻尾切り" と規定して、キム・ファンシク総理とキム・ソンファン外交長官などの引責を要求している。
この日、自衛隊の集団的自衛権容認を主張する日本総理室傘下委員会の報告書が公開されたことも変数だ。 そうでなくても韓-日軍事情報協定に対しては日本の再武装を助けるのではないかという疑いが提起されてきた。 ところで自衛隊の対外的膨張の可能性が提起され、協定の正当性が深刻に疑いを受けるほかはない状況になったのだ。 野党は国会常任委が開かれればこの問題に対しても集中的に問い詰める態勢だ。 パク・ヨンジン民主党スポークスマンは「日本は核武装と集団自衛権など一歩一歩 軍事大国へ向かう再武装の道を歩んでいる」として「(今回の協定締結は)現政権が日本と軽はずみに調子を合わせてきた危険千万なこと」と批判した。
アン・チャンヒョン記者、パク・ビョンス先任記者 blue@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/541190.html 訳J.S