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"キム・ジェチョル‘暴走’は大統領府との交感があればこそ"

原文入力:2012/06/21 22:06(2447字)

←解雇されたチェ・スンホ<文化放送>(MBC)ディレクターが21日ソウル、汝矣島(ヨイド)の文化放送社屋前で開かれた集会に参加している。 リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

平組合員 初の解雇者 MBC チェ・スンホ ディレクター
"キム・ジェチョルが解雇者を名指ししたということ…政権に馴致されたMBCを作るため"

"労組執行部ではなく(ストに)大きく寄与したこともないのに解雇とは、ストライキを無力化させようとする標的懲戒だ。"

 去る20日パク・ソンジェ記者とともに解雇通知を受けた<文化放送>(MBC)チェ・スンホ ディレクターは「公営放送の正常な思考をする社長ならば有り得ないことが文化放送ではこの頃当たり前のように発生している」として、キム・ジェチョル社長を強く批判した。 チェ ディレクターは去る1月に始まった文化放送ストライキ過程で初の平組合員解雇者となった。 それだけに解雇はチェ ディレクターにとって青天の霹靂のような便りだが、21日文化放送労組事務室で<ハンギョレ>とのインタビューに応じた彼は、淡々としながらも断固たる語調で‘弾圧’に対抗すると語った。

 チェ ディレクターは1986年に入社した経歴27年の古参ディレクターだ。 2005年<PD手帳>を通じて韓国社会を揺るがした‘ファン・ウソク幹細胞事件’をヒットさせ、2010年には‘検察とスポンサー’‘4大河川、水深6メートルの秘密’等、権力を監視するプログラムを作り大きな反響を呼び起こした。

 チェ ディレクターなど2人が追加で解雇され、今回のストライキによる解雇者は計6人、2010年に解雇されたイ・クンヘン前労組委員長などを加えればキム・ジェチョル社長体制での解雇者は計8人に増えた。 文化放送労組はこれを「過去の軍事政権時期の大量言論人解職に続く最大の言論大虐殺」と糾弾した。

ファン・ウソク幹細胞・4大河川編など
製作したPD手帳 代表演出者

 ストライキ過程で目だって出ることもなかったチェ ディレクターが解雇者の隊列に入り込んだことについて、彼と同僚は‘政治的背景’を疑っている。 チェ ディレクターは「今回の人事委員会で、委員は‘解雇理由がない’という私の疎明に対して何も言わなかった」として 「これはキム・ジェチョル社長が解雇者を‘名指しして決めていたためと見る」と話した。 彼はキム社長の‘暴走’は大統領府との交感から出ていると推定した。「労組と市民団体から退陣圧迫を受けながら、無理に言論人解雇を強行するのは(政権から)生存を保証されるためのものではないかという疑いを持たせる」ということだ。

 チェ ディレクターが労組委員長出身であることに加え、4大河川事業を暴くプログラムのために嫌われたことも考慮されたのではないかという疑問も提起されている。彼は「同じく労組委員長出身であるパク・ソンジェ記者と自分を解雇したことは、文化放送労組を完全に破壊し根を抜くという意図と見える」と話した。

 チェ ディレクターはキム社長のために1987年6月抗争以後に韓国社会が成就した民主主義と言論の自由が退行しているとし遺憾も打ち明けた。 「社長退陣運動に出た社員が憎いからといっても、数十年にわたり自身の根拠地だった放送会社を荒地にして破壊したまま自分だけは生き残ろうということにとうてい納得が行かない」と語った。 彼は解雇者がさらに増えるという予想もした。 ストライキ参加者の中で待機発令者は2次にわたり69人だ。使用側が経歴社員を大々的に募集しているのも大量解雇を念頭に置いた布石であり「政権に馴致された放送を作るという意図」というものだ。 この日使用側は特報を通じて経歴社員募集に1000人余りが集まったと伝え「改革と革新」が続くと明らかにした。

"パク・ソンジェ、私、労組委員長出身者の解雇は
労組を根絶するということ"

 チェ ディレクターは144日にわたるストライキをしても770人余りの組合員が乱れないのは、使用側のおかげだとし、逆説的にキム社長に功績を回しもした。 組合員が疲れた頃になると、キム社長の新たな不正疑惑がふくらんで、懲戒が相次いぐために、それが逆に刺激になったという話だ。

 事態解決方案について彼は「キム社長が出て行かなければストライキは解決できない」として「私益追求のために各種不正を犯し、公営放送を完全に壊した人に責任を問わざるをえない」と強調した。 また「国民の怒りが徐々に煮え立っているが、このような世論を政府・与党も無視できないだろうし、私たちの勝利が遠くない」と主張した。

 チェ ディレクターは「過去の文化放送社長は放送の独立性を守るために努力した」として 'どの政権であっても落下傘社長はいる’という形の認識も警戒しなければならないと話した。 「ファン・ウソク教授問題を暴き、盧武鉉前大統領が代表的政策として掲げた生命工学育成策に打撃を及ぼし、政権と不和だった時も文化放送社長はプログラムの放送を中止させなかった」ということだ。

“144日ストライキ動力 キム社長のおかげ
私たちの勝利が遠くない”

 350ヶ余りの市民団体が参加した‘公正言論共同行動’は21日からソウル、普信閣(ポシンカク)前で‘落下傘キム・ジェチョル社長退出’汎国民署名運動と‘市民無限挑戦’集会を行っている。

 この日、民主統合党言論特別委と民主言論市民連合・言論改革市民連帯・ディレクター連合会などの言論団体は‘不当懲戒撤回’を要求する声明を出した。

ムン・ヒョンスク先任記者 hyunsm@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/539040.html 訳J.S