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士官学校生ら 全斗煥に起立拍手…陸軍士官学校の‘無限忠誠’

原文入力:2012/06/11 22:22(2367字)

←全斗煥前大統領が陸軍士官学校生の‘花郎儀式’を査閲したという論難に続き、去る2006年4月28日陸軍士官学校内‘乙支(ウルチ)講堂’で開かれた記念音楽会でも士官学校生の起立拍手を受けていたという事実も明らかになった。 11日午後ソウル、蘆原区(ノウォング)、孔陵洞(コンヌンドン)の陸軍士官学校正門前で哨兵が守る中で車両が出入りしている。 キム・ギョンホ記者 jijae@hani.co.kr

2006年にもVIP席の全斗煥に起立拍手…陸軍士官学校はなぜ?

反乱の首魁に最高礼遇?  "国家アイデンティティ自ら無にした"
軍、査閲は日常行事 釈明?  "一般人は壇上にも上がれない"
‘汚辱の歴史’忘却?  "全斗煥、5・16クーデター支持行進"

 12・12クーデターと5・18光州(クァンジュ)民主化運動流血鎮圧などの責任者として死刑宣告を受けた全斗煥前大統領が去る8日だけでなく、それ以前にも陸軍士官学校の各種行事に参加して士官学校生を査閲していた事実が明らかになった。 大韓民国軍史に汚辱を残した全前大統領に対する陸軍士官学校の非常識‘礼遇’が一つずつ明らかになると "陸軍士官学校が国家と軍のアイデンティティを自ら無にした" という批判が続いている。

 <ハンギョレ>による取材の結果、全前大統領は2006年4月28日、陸軍士官学校内‘乙支講堂’で開かれた陸軍士官学校創設60周年記念音楽会で生徒の起立拍手で歓迎を受けた。 当時行事に参加したある要人は11日 「行事開始を待っていると全前大統領が行事会場VIP席に入場し、席をいっぱいに埋めた陸軍士官学校生が起立拍手で歓迎する姿を見た」と話した。 この要人は 「熱烈に歓呼する生徒等を見てわが軍の未来、大韓民国の未来が心配になった」と付け加えた。

 この日の行事には全前大統領の他にも5・18流血鎮圧に加担した容疑(内乱目的殺人など)で懲役7年が宣告されたチョン・ホヨン前国防部長官、国家保衛非常対策委員会運営委員長だったイ・キベク前国防部長官など陸軍士官学校卒業生が招待され、1000人余りの生徒と家族が席を埋めていた。

 全前大統領は同日開かれた陸軍士官学校発展基金創立10周年および基金募金額100億ウォン達成行事にも参加した。 ここでも陸軍士官学校は全前大統領を最も高く礼遇した。 陸軍士官学校が発行する<陸軍士官学校新報>は2006年6月7日付で「行事には陸軍士官学校発展基金理事長(チョン・ホヨン 陸軍士官学校11期)をはじめ(中略)総計140人の人々が参加し、特に全斗煥前大統領をはじめとしてカン・ヨンフン、ノ・シニョンなど前国務総理(中略)等の主要人物が参加して席を輝かせてくれた」と報道した。 全前大統領をはじめとする出席した人々は花郎儀式(パレード)を参観して、学校施設見学、晩餐などを行った。

 全前大統領に対する陸軍士官学校のこのような非正常的礼遇に対して、軍関係者は11日にも「毎週金曜日に練兵場で開かれる花郎儀式は一般人にも公開されている行事」として 「陸軍士官学校発展基金行事に招請された全前大統領などが一般市民らと共に参加しただけ」という釈明を繰り返した。

 だが、花郎儀式の進行過程と意味をよく知っている人々の説明はそうではない。 陸軍士官学校出身のある要人は 「陸軍士官学校校長などが上がってくる壇上には一般市民は上がることができないが、全前大統領が壇上に上がって挙手敬礼をしたという事実からして異例的」とし「全前大統領がいる壇上前を通りながら生徒が‘右向け右’をしたことは指揮官に対する最高敬意の礼を示したこと」と指摘した。

 特に全斗煥前大統領が政治的野心を満たす手段として予備軍人である陸軍士官学校生を利用した人物という点で生徒査閲にはより一層大きな問題があるという指摘が出ている。 1961年5・16クーデター当時、朴正煕少将は陸軍士官学校生の支持行進を要請した。 カン・ヨンフン当時陸軍士官学校校長はこれを断った。 するとソウル大 文理大学生軍事教育団(ROTC)教官だった全斗煥大尉がクーデター主導勢力を訪ねて行き「カン校長が生徒の支持デモを阻んでいる」と密告し、カン校長は拘禁された。 その直後である5月18日午前9時、陸軍士官学校生800人余りと将校および卒業生200人はソウル、東大門(トンデムン)と小公洞(ソゴンドン)を経てソウル市庁前まで‘クーデター支持市街行進’を行った。 このデモによってクーデターが世論の支持を受けているように国際社会に映り、政権を奪った朴正熙大統領は全斗煥大尉を寵愛することになった。 全前大統領が軍で出世街道を走ることになった決定的契機が陸軍士官学校生を政治的道具に活用した事件だったということだ。

 5・18記念財団と歴史問題研究所など全国463団体で構成された歴史正義実践連帯はこの日声明を出して「12・12反乱と5・18虐殺に関与して国の品格を落とし下剋上を犯した人々が陸軍士官学校で査閲をしたということは国家規律を揺さぶり生徒に恥をかかせた行為」として「陸軍士官学校生に歪曲された国家観と忠誠心を誘導したキム・クァンジン国防部長官とパク・ジョンソン陸軍士官学校校長は責任を負って直ちに辞退せよ」と要求した。

パク・ヒョンチョル、イ・ギョンミ、ハ・オヨン記者、光州/アン・クァノク記者 fkcool@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/537172.html 訳J.S