原文入力:2012/05/15 21:30(1879字)
←漫画作家たちが去る2月27日ソウル墨洞(モクトン)の放送通信審議委員会前でインターネット連載漫画ウェプトゥンに対する“青少年有害媒体”指定検討に対して抗議している。 キム・テヒョン記者 xogud555@hani.co.kr
スタート後4年間を振り返る
政治的偏向性・委員の資質等、内部評価書 俎上に載る
報道教養番組 制裁増加、権力批判“検閲機構”の汚名
去る14日でスタート4周年をむかえた放送通信審議委員会(放送審議委)は権力に批判的な放送番組に対する“政治的”審議と表現の自由侵害論難で“検閲機構”という汚名を着せられてきた。 放送審議委の職員までもが放送審議委の審議を“再審議して”審議委員たちの判断が不公正だという評価を下し、論議が大きくなっている。
全国言論労働組合放送審議委支部非常対策委員会は先月、審議委全体会議を組合員60人に映像を通じて傍聴し評価させた結果、審議委員9人のうち中間点数である50点を超えたのは2人に過ぎなかったと15日明らかにした。 事務局職員である組合員は、論拠提示の妥当性、政治的偏向性、放送審議規定および案件に対する熟知有無などを評価した。 20点台を記録した審議委員もいた。
放送審議委職員は、審議委員が政派的議決をするだけでなく資質問題も深刻だという診断を下した。 非常対策委はこの資料をパク・マン放送審議委委員長に伝達した。 キム・ヨンス非常対策委員長は「内部牽制が弱いという指摘があって構成員が審議改善のための動きに出たもの」として「特定勢力を代弁する審議が続くならば今回の評価を公論化する計画だ」と明らかにした。
内部ですら酷評が出ているが、放送審議委の“公正性違反”関連の制裁は増加傾向を見せている。 放送審議委が先月出した<2011放送審議事例集>を見れば、昨年地上波放送制裁措置議決件数は80件で2010年より13件増えた。 特に報道教養部門の制裁は2010年8件から昨年26件に大幅に増えている。 このうち昨年の“公正性違反”に対する制裁は14件(テレビ9件、ラジオ5件)だ。 公正性違反を理由とした制裁は2008年7件、2009年13件、2010年4件だった。 昨年の公正性審議は前年に比べて3.5倍増加したわけだ。 今年1分期の公正性違反関連制裁は計6件だった。
公正性違反の制裁事例には、全国一斉試験を拒否して解任され大法院判決で復職した教師たちが出演した<文化放送>(MBC)ラジオ<パク・ヘジンの出会った人>、柳成企業のストライキを扱った文化放送ラジオ<手で捉えられる経済 ホン・キビンです>と<韓国放送>(KBS)ラジオ<パク・ギョンチョルの経済フォーカス>などがある。 放送審議委はこれらの番組が利害が交錯する事案で教師や労組側の立場だけを伝えたとして、注意などの懲戒を下した。
このような審議結果に対し言論界内外では、権力に批判的な番組に対する恣意的審議という批判が出ている。 政権の口に合わない番組には罰を与える“自販機審議”、“標的審議”という表現まで登場した。 公正性に関する制裁件数が増加するのを、今年の総選挙と大統領選挙という選挙日程と連結して見る視角もある。 だが、パク・ジョンヒョン放送審議委広報チーム長は「公正性審議は一般からの問題提起や内部モニタリングにより上がってきた案件を扱ったものであり、標的審議をしたことはない」と話した。
言論・市民団体は放送会社の自律審議を提案している。 チェ・ソンジュ言論人権センター常任理事は「視聴者の不満が放送会社、放送通信委、放送審議委など色々な経路で入ってくるが、先ず放送会社で自律審議をするようにし、それでも解決されない場合にだけ放送審議委で処理するのが望ましい」と主張した。 権力型不正が次々発覚している状況で、言論の自由な報道を萎縮させる可能性がある審議制度は公共の利益に反するだけだという主張も出ている。 チョン・ヨンウ世明(セミョン)大教授は「公正性審議で表現の自由が抑圧され、言論が本来の役割を果たせずにいる」として「公正性審議は廃止し、必要ならば制裁の代わりに意見を提示する方式が妥当だ」と指摘した。
ムン・ヒョンスク先任記者 hyunsm@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/media/533036.html 訳A.K