原文入力:2012/04/05 23:00(1237字)
「途方もないストレス・恐怖を感じるだろう
最大の問題は人間関係の断絶」
国家機関の広範囲な民間人査察の事実が相次いで明らかになり、不安と恐怖を感じていた査察被害者の証言も続いている。 放送人キム・ジェドン氏は最近言論とのインタビュー等を通して「舞台に上がるのに、いつも少しずつ震える」とか「睡眠をまともにとることができない」と言って、査察にあった後の心境を明らかにした。
精神科医師、心理学者など専門家たちは「査察対象者はストレスによって正常な生活を営むのが難しいだろう」と口をそろえる。ソ・チョンソク ソウル神経精神科院長は「ストーカーが一人付きまとうだけでも不安なのに、強力な国家機関が合法を装って付いて回るということは途方もない大きなストレスを与えることだ」として「査察が長期間続けばうつ病が生じ、精神的ストレスによる胃炎・胃潰瘍・高血圧などの問題が出てくる可能性が大きい」と明らかにした。 また、ソ院長は「誰かが自分の生活をずっと覗いているということは想像するだけでもぞっとすることだ」として「その上、国家機関は盗聴や個人情報収集など専門的で多様な査察方法を用いることもできるので、査察対象者が感じる恐怖は一層大きくならざるをえない」と話した。
イ・ファヨン人権医学研究所長(延世大学医学部外来教授)は「昨年拷問被害者実態調査をして民主化運動の中で警察の保安観察を受けた方々に会ったことがあるが、大部分深刻な心理的問題を体験していた」として「査察対象者も誰かの監視下に置かれているという点で、同じように極度のストレスによる不眠症と悪夢に苦しめられる可能性がある」と話した。 またイ所長は、「査察と監視の最大の問題点は人間関係の断絶だ」として「私が誰かに会えばその人も被害をこうむるだろうという考えと誰かが私を監視するかも知れないという不安感のために、人を避けるようになって結局孤立する」と話した。
ウ・ジョンミン仁済(インジェ)大ソウル白(ペク)病院神経精神科教授は「査察の量と質により違うだろうが、一般的にストレスと怒りの反応が現れることが多い」として「心理的に拘束された感じ、自己検閲と煩悩のために批判的な言葉を慎む結果をもたらす可能性がある」と憂慮した。 ファン・サンミン延世(ヨンセ)大教授(心理学科)も「民間人は公権力が自身を保護してくれると信じているが、逆に公権力の監視対象になる状況に置かれることになれば、相当大きな怒りと不安を感じることになろう」として「放送人キム・ミファ氏がこのようなケースと思われる」と話した。
ジョンファンボン記者bonge@hani.co.kr
原文: 訳A.K