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"被害者に謝罪さえしない‘怪物’政府 もう清算しなければ"

原文入力:2012/03/18 20:04(1366字)

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民間人査察疑惑拡散 査察被害者キム・ジョンイク氏
不良捜査を指揮した検察がむしろ捜査を受けねばならない状況

 キム・ジョンイク(写真・前KBハンマウム代表)氏が勇気を出さなかったら、国務総理室公職倫理支援官室の民間人不法査察事実は闇に埋められてしまったかも分らない。 この事件を検察が再捜査するという決定が知らされた後の18日、キム氏は<ハンギョレ>との通話で「憂鬱そうに過ごせば査察を企画した勢力の意図に巻き込まれるそうなので昔どおりに元気に過ごそうと努力している」と語った。

 キム氏は先ず自身を不法査察した政権と、それをまともに捜査しなかった検察を批判した。 彼は「国務総理室のような国政の最高機関が民間人を脅迫して生計手段を奪うという不法行為をしたことが世の中に知らされた時、社会的波紋がないとは思わなかった」としつつ、検察が再捜査をすることにしただけに今回は「不法査察をせざるをえなかった理由が何なのかを徹底して明らかにしなければならない」と注文した。

 1次捜査結果に大きく落ち込み失望したためなのか、キム氏は検察の再捜査を信頼していない様子だった。 彼は「この前の不良捜査を指揮した人々が検察首脳部に位置していて再捜査が正しくなされるか、国民がその結果を受け入れるか疑問」とし「チャン・ジンス前主務官が暴露した水準で捜査が結末を迎えそうだ」と展望した。 彼は「チャン氏の話を聞いてみれば捜査過程で検察も証拠隠滅に主導的な役割をしたと見られるので、検察が捜査をするのでなく捜査を受けなければならない状況」と話した。

 キム氏は再捜査とは別個に、不法査察の被害者である自身に謝罪さえしない政府に対しても憤懣をぶちまけた。 彼は「民間人査察を主導したイ・インギュ氏にはイム・テヒ前大統領室長が慰労金を与え、ウォン・チュンヨン氏は刑が確定されていないという理由で復職して業務を行っている」として「不道徳な人間には寛大で、私のような被害者には謝罪さえしない李明博政府は非常識な政権」と声を高めた。

 自身が被った不法査察の被害について国家賠償を請求する訴訟を起こしたキム氏は、訴訟で勝てば査察を進めた当事者に国家が求償権を行使しなければならないという主張もした。 彼は「(求償権行使の有無は)今後、わが国社会で国家が民間人を査察するおぞましいことが繰り返されるか否かを計る重要事と考える」として「被害者としての私の怒りと復讐心のためでなく、私たちの社会のための清算作業は必要だ」と話した。

 李明博政府についてはキム氏は「政府が公正な調停者として役割を果たすのではなく、政権の利益のために動いてきた」として「李政府が1987年以前の体制を指向したから歴史が退行を繰り返してきたが、今後こういう‘怪物政権’が韓国社会に二度と出現しないよう社会構成員が皆一緒に熟考して欲しい」と話した。

パク・テウ記者 ehot@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/524002.html 訳J.S