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参与政府、9%の同意で決定…MB政府、軍事作戦式 速度戦

原文入力:2012/03/08 22:14(2438字)

←8日午前、済州(チェジュ)、西帰浦市(ソギポシ)江汀マウルで警察がバスで村に通じる地点を遮るとある住民がバスの下へ通過するとして狭い隙間を抜け出ようとしている。 西帰浦/リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

済州海軍基地推進過程の問題点

2007年、村会議で議決後に住民の半数以上が反対運動
済州道・政府 現実性ない‘民軍複合港’に計画変更
"突然の工事強行は安保フレームを利用した選挙戦略の疑い"

 済州道の工事一時保留要請を拒否した政府が7~8日‘クロムビ岩’爆破作業を強行し済州海軍基地を巡る葛藤が頂点に向かって上り詰めている。軍と一部住民および活動家間の葛藤に、中央政府と地方政府がそれぞれ加勢する形で戦線も拡大した。 済州海軍基地推進過程にどのような問題点があって、このような破局をむかえなければならないのだろうか?

■済州海軍基地推進過程

 済州海軍基地計画は20年前の1993年に海軍と合同参謀本部が必要性を提起して始まった。だが、軍内戦力投資優先順位で押しだされ10年を超えて引出しの中で寝ていた。 2000年代初中盤に西帰浦市(ソギポシ)、安徳面(アンドクミョン)、和順(ファスン)港と南元邑(ナムォンウプ)のウィミ港が候補地として議論されたが、住民の反発が少なくなかった。 ところが2007年4月江汀マウルで村会議を経て済州道に誘致を建議したことにより海軍基地計画は新しい局面をむかえた。 済州道は住民意見の取りまとめと世論調査などを経てその年5月に江汀マウルを候補地として建議し、政府はその年の6月これを確定した。

 だが、江汀マウルでも論難が起きた。 住民の大多数が反対しているという理由であった。 村会議で誘致を議決したとは言え、1000人余りに及ぶ住民有権者の内、当時の会議参席者は87人に過ぎなかった。代表性が不足しているということだ。 数ヶ月後に開いた村会議には800人余りに及ぶ住民たちが参加して誘致反対を議決した。 だが、賛成側住民たちと政府は村会議の平常時参席者が50~60人水準であり、郷約規約により51人以上が参加すれば総会が成立するとし候補地選定に何の問題もないという主張を維持した。

←済州海軍基地論難過程(※イメージをクリックすれば大きく見ることができます)

■現実性に欠ける提案を受け入れ論難を自ら招来

 このような状況で済州道は事実、不明瞭な態度を見せた。国策事業に真顔になって反対することも、住民の反対意見をひたすら無視することも難しかったためだ。 結局、済州道と道議会でクルーズ船も出入りする民軍複合港で勧めようという話が出てきて、その年の年末、李明博大統領など大統領候補がこれを受け入れた。 2008年9月、政府は国家政策調整会議を開き15万t級クルーズ船2隻が同時寄港できる民軍複合型観光美港建設計画を確定した。 翌年4月には国防部と国土海洋部、済州道がこれに関する基本協約書を締結した。

 だが、民軍複合港計画は結果的に問題をより一層大きくする禍根だった。 最近起きた15万tクルーズ船入港シミュレーションを巡る消耗的な論議がこれを傍証する。 全世界に7隻あるという15万t級クルーズ船は東アジアに現れたことが殆どない。今後も済州島に、それも江汀港に2隻が同時に訪れる可能性は皆無だ。 上流階級であるクルーズ船乗客をひきつける誘引策がなく、インフラを構築する計画も立っていないためだ。 このような事情を明らかに知っている政府が実効性のない腹案を直ちに受け入れたことが結局は問題をより一層絡まらせ、最近では‘15万t級クルーズ船が入港する可能性は殆どない’という主張を出している。

■社会的費用 雪だるま

 権威主義統治が終息した後、最近10年余りわが国社会は火葬場や核廃棄場など公共財的施設設置を巡り深刻な葛藤を経る場合が少なくなかった。核廃棄場の建設と関連して郡守が住民たちに暴行され治安が麻痺したりもした2003年の‘扶安(プアン)事態’が代表的だ。 その結果、以後には住民同意を得た地方自治体で誘致を申請させて、選ばれたところにはそれに見合う支援を行う方式でことを進めた。 試行錯誤を経て社会的費用を減らす方式としてそれなりに発展してきたのだ。

 だが、済州海軍基地推進過程はこういう‘発展’を色あせさせる。 昨年末15万t級クルーズ船の安全な入出港を巡る問題に火がつき、国務総理室で技術検証委を設置したが、一層荒々しい反発を呼び起こしただけだったことが代表的だ。 軍と済州道が対立している状況で、客観的検証をすると言うなら、技術検証委が新たに委託調査を発注するなり、自主調査を始めるのが常識だ。 だが、技術検証委は先月29日、当初海軍が発注した資料を土台に‘15万t級クルーズ船の入出港に何の問題もない’という結論を下した。 たとえ同じ結論が出るにしても反対側が同意できる方法を取るべきなのに、そのような努力を傾けなかった。

 かつて盧武鉉政府でも済州海軍基地を推進したが、問題に接近する態度は現在との差が大きい。 盧前大統領は基地の不可避性を主張して済州現地で宗教指導者などに会い、直接説得に乗り出すこともした。 軍事外交誌<ディフェンス21+>のキム・ジョンデ編集長は「これまで海軍だけに事業推進を預けておき説得に無関心だった政府が、今になって突然前面に踊り出て工事を強行させていることは、安保フレームを利用した選挙戦略の一環でないか疑われる」と話した。

イ・スニョク記者、済州/ホ・ホジュン記者 hyuk@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/522705.html 訳J.S