原文入力:2012/02/17 21:41(1858字)
←ハン・ミョンスク民主統合党代表(前列左から)、イ・ジョンヒ統合進歩党共同代表など野党議員が去る8日、米国大統領に送る書簡を渡すためにソウル駐韓米国大使館へ向かっている。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr
韓-米自由貿易協定(FTA)存廃を巡る論議が再び熱い。 昨年11月、セヌリ党(旧ハンナラ党)主導で国会の強行処理で通過させた協定をそのまま発効させるか、あるいは廃棄宣言の後に米国と再交渉するかで政界が分かれた。 李明博大統領は来る22日、執権4周年を記念して協定発効日程と後続措置などを明らかにする予定だ。協定の去就がまもなく明確になる。
政府の協定発効意志は確かに見える。法的要件と手続きを備えているか互いに確認する両国政府間実務交渉もほとんど終わった。 両国大統領が発効日を宣言することだけが残った。 外交通商部は今月中の宣言をすでに予告した。
政府発効宣言を控え野党は無力
協定文では "書簡を送れば無効"
李明博大統領は協定発効宣言と共に、昨年11月の国会批准同意直前に約束した通り、投資家-国家提訴制(ISD)関連条項の再協議計画も出すものと予想される。 ただしこの条項が削除される可能性は殆どない。 両国政府は協定発効後、分野別に共同協議機構を構成し争点事項を議論することができる。 だが、この機構に協定文特定条項の削除を決める権限はない。
協定発効を控えてセヌリ党の足取りもはやくなった。 去る8日、連日民主統合党と統合進歩党が米国オバマ大統領と上下院議長に送った書簡を口実に毎日のように政治的攻勢をかけている。 特に民主統合党指導部を狙った攻勢が鋭い。 協定を推進した主役であり、今になってなぜ反対するのかということだ。
しかしセヌリ党も自己矛盾に陥っている。 セヌリ党が去る13日に公言した経済民主化公約はほとんど協定と衝突する素地が大きい。 代表的な事例が中小商人保護のための流通法と共生法改正案だ。協定に含まれた経済自由化の価値と経済的弱者に配慮する経済民主化の論理は衝突せざるを得ない。
与党と保守マスコミの批判に対し、民主統合党は停滞している。 去る8日、駐韓米国大使館に協定発効手続きの中止と再協議を要請する書簡を伝達した時とは態度が全く変わった。 総選挙と大統領選挙で勝利すれば廃棄も辞さないという意志を明らかにしたが、今は再協議だけに傍点をつけている。
協定に反対する論理にも困窮している。 反対論拠は二種類だ。 李明博政府が再協議を通じて利益の均衡を崩し、去る2008年の米国発世界金融危機で事情が変わったということだ。 しかし民主統合党が廃棄または、改正を要求する条項はほとんど利益の得失を求めることはできない。 司法主権の侵害や憲法的価値のき損のような副作用を招く恐れのある条項だ。このように計算できない危険を甘受した責任は全面的に参与政府にある。 民主統合党が再協議意志の正当性を示すには痛切な自己反省からしなければならないわけだ。 車を馬の前に置いては前には進めない。
政府が協定発効を強行しても無効化させる道はある。総選挙と大統領選挙で協定廃棄または、再協議を公約に掲げた政党が執権すれば良い。 両者間通商条約は世界154ヶ国が加入した世界貿易機構(WTO)協定とは異なり、国際法上の強制性がない。 どちらか一方が無効を宣言しても相手国は通商報復できない。
←パク・スンビン論説委員
協定無効の手続きを規定した条項もある。 第24.5条2項によれば、政府が協定終了を望むという外交書簡を送れば、その後180日目から無効となる。 手続き上ではこのように簡単だが、短期的に韓-米関係悪化という代価を甘受しなければならないことが問題だ。
議論になる条項だけを正す再協議も侮れない。米国は通商条約締結権限が議会にあるためだ。再協議をするには、米議会が行政府に交渉権限を委任する立法手続きから再び踏まなければならない。 しかし米議会が特定国家だけのための委任法案を作った事例はこれまで一度もない。
パク・スンビン論説委員 sbpark@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/519661.html 訳J.S