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大統領でも手を付けられない財閥‘権力はすでに市場に…’

原文入力:2012/02/12 21:59(2077字)

0.1%財閥の国①過度な富の集中

金大中政府‘5+3財閥政策’経済状況の前に無力化
盧武鉉政府 改革意志 序盤には輝き 三星(サムスン)に飼いならされ
李明博政府 出資総額制限廃止など、むしろ財閥に近く
"権力はもはや市場に移ったようだ。"

 去る2005年5月16日、盧武鉉当時大統領は‘大-中小企業共生協力懇談会’でこのように話した。 大統領の発言趣旨は政府も市場を公正に管理するが、大企業自らも中小企業と共生する努力が必要だという要請だった。 しかしこの発言は参与政府が大企業の影響を強く受けているという告白と解釈する人々が多かった。

 盧武鉉政府はスタート初期に財閥改革に積極的とみられたが、6ヶ月後の2003年8・15光復節祝辞で国民所得2万ドル時代を宣言し‘成長’に重心を置く側に方向を定めた。 盧武鉉政府当時、最大財閥政策イシューは公正取引法改正(出資総額制限制度の強化)と金融産業構造調整法(金産法)改正だった。金産法改正は三星グループ支配構造の核心を構成している三星カードによるエバーランド持分売却と繋がっていた。 パク・ヨンソン当時ヨルリンウリ党議員が金産法改正に最も積極的だった。パク議員は2005年の財政経済部国政監査で「金産法政府改正案に三星側主張だけを一方的に受け入れている」とハン・ドクス経済副総理を正面から批判した。 キム・ヒョンミ、ムン・ハクチン議員なども加勢した。しかし大統領府でも、ヨルリンウリ党内でもパク議員を支持する声は次第に減っていった。

 盧武鉉政府スタート初期、キム・ジョンイン現セヌリ党非常対策委員が経済副総理として議論された時があった。 ユ・ジョンイル現民主統合党経済民主化特別委委員長も経済部処長を引き受けるだろうという予想が多かった。 しかし代表的な財閥改革論者であった二人は参与政府で何の公職も引き受けることはできなかった。 二人が排除された背景には‘見えざる手’があったということが当時ヨルリンウリ党改革派議員らの共通した証言だった。 多くの人々が見えざる手の正体として三星を挙げた。

 盧武鉉政府は大統領職引継ぎ委員会時期から三星経済研究所から多くの政策提案と報告書を受け取っていたと伝えられている。 初めての報告書は大統領職引継ぎ委員会に報告された‘国政課題と国家運営に関するアジェンダ’という400ページのパンフレットだったと伝えられている。 盧武鉉政府が主に主張した‘東北アジア経済中心国家論’と‘国民所得2万ドル時代’という議題も三星研が提案したものだ。 三星研は盧武鉉政府時期、イ・クァンジェ、ソ・カッボン、ぺク・ウォンウなど当時親盧武鉉系の核心が集まっていた‘議会政治研究センター’としばしば経済政策討論会を開いた。このような討論会と報告書を通じて自然に三星の論理が政府と与党の核心に伝播された。

 歴代政権で最も強力に財閥改革が推進されたのは金大中政府時期だった。IMF救済金融が契機になった。 大企業の無節制なタコ足式拡張が救済金融事態の根本原因という共感が形成されたおかげだった。 金大中候補の当選直後、ユ・ジョングン大統領経済顧問らがIMF実務陣と交渉しながら金大中キャンプで描いた財閥改革案がIMFを通じて実現されるようにする方法などを使った。 金大中当選者も直接大企業総師と会い意見を交わした。その結果が1998年1月に金大中当選者と大企業総師が合意した△経営透明性向上△相互保証債務解消△財務構造改善△業種専門化△経営者責任強化など5項目だ。金大中当時大統領は1999年8・15光復節祝辞で△第2金融圏経営支配構造改善△循環出資および不当インサイダー取引抑制△変則相続遮断など3原則を前面に掲げた。当時、光復節祝辞を通じて金大統領は‘財閥の護送船団式経営を終わらせなければならない’と宣言した。 言論ではこれを事実上‘財閥解体宣言’と評価した。 これが金大中政府による財閥政策の象徴である‘5+3’原則だった。

 しかしこのような雰囲気下でも5大課題の中で金大中政府が終る時まで成功裏に守られた原則は相互支払保証の解消と財務構造改善の二つだけだったというのが専門家たちの指摘だ。 ‘経済状況が難しくなった’、‘新しい成長動力に対する投資が必要だ’などの財界建議を大統領府と与党が受け入れ始めながら次第に無力化されたためだ。

 金大中政府と盧武鉉政府を経る中で財政経済部税制室長から国税庁長、行政自治部・建設交通部長官を務めたイ・ヨンソプ民主統合党政策委議長は 「経済政策で重要なことは決まった政策と原則は例外なく実行しなければならないということ」と語った。

イ・テヒ記者 hermes@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/518616.html 訳J.S