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‘天安(チョナン)艦 北の仕業 確信できない’発言に難癖

原文入力:2012/02/09 21:55(1436字)

チョ・ヨンファン 否決まで
保守政党 "資質非適格" 思想攻勢

 憲法裁判所に社会の多様な声を反映させるようにした憲法の趣旨は思想論争と‘レッドコンプレックス’障壁を越えることができなかった。 9日国会のチョ・ヨンファン憲法裁判所裁判官候補者選出案否決波動は、わが国社会の理念的硬直性を再度確認させた。

 民主党(現 民主統合党)最高委員会議は昨年6月1日チョ・ヨンファン憲法裁判所裁判官候補者を推薦した。 同月28日に開かれた人事聴聞会でチョ候補者は天安(チョナン)艦事件と関連して「わが政府でそのように(北韓の仕業だと)発表し、私もそうだと思っている」と答えた。だが‘確信’という単語を使った質問にはすみやかには答えなかった。 代わりに自身が法律家であることを強調し、「私が見なかったために、それはどうしても‘確信’という表現をするのは適切でないようだ」と話した。

 チョ候補者はまた、国家保安法に対して「国家というものが存在する限りは、そのような法(体制を守るための法)がないはずがない」としながらも「手続き的にも内容的にも正当性に疑問がない方法をちょっと作れば良いだろう」と話した。

 ハンナラ党(現 セヌリ党)と自由先進党など保守政党は翌日からチョ候補者の非適格性を挙論し始めた。 対外的に挙論した‘政治的偏向性’という表現の裏には思想攻勢がかくれていた。 6月30日に予定された人事聴聞特別委会議に保守政党が参加しないことにより審査報告書採択および任命案処理は失敗に終わった。

 民主党は低姿勢になった。与野党の議員全員に手紙も送った。9月定期国会で与党はヤン・スンテ最高裁長官任命同意案を先に処理しようとした。 野党は‘チョ候補者人事聴聞会が先だ’として反発し、表決の試みは二度失敗に終わった。

 ソン・ハクキュ当時民主党代表は9月21日の本会議で、党代表としては異例の議事進行発言を申請し与党の最高裁長官任命同意案を先にするという処理要求を受け入れた。 野党が先に譲歩するので与党も譲歩してほしいという期待が込められた譲歩であった。 だが、最高裁長官が任命された後にも‘天安(チョナン)艦発言’を問題視する与党の態度は変わらなかった。 10・26補欠選挙と与党の内紛、そして野党圏の統合が続き、チョ候補者の任命同意案は再び5ヶ月近く漂流した。

 民主党は継続的に‘6年ぶりの野党推薦持分であるだけに社会の多様な声を入れることのできる人物でなければならない’という点を強調した。 憲法裁判所裁判官9人の中で国会推薦持分である3人が、‘与党1人、野党1人、与野党合意1人’という慣例に基づくものだった。

 チョ候補者に対するハンナラ党の叩きは慣習法に近いこの間の慣行を破ることだった。 国会で推薦する各種公職者の場合、与野党がお互いに認めるのが慣例だったためだ。 実際、憲政史上このような慣例が壊れたことは今回が初めてだ。

 セヌリ党の反対でチョ候補者の任命が失敗に終わり、憲法裁判所が体験した7ヶ月余りに及ぶ裁判官不足の跛行は今後も続く展望だ。 キム・ウェヒョン記者 oscar@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/518402.html 訳J.S